第3回 中国語は何語?~方言編~
今回は、前回書いた中国語の話の続きとなります。
中国人観光客やビジネスにおいて、中国人と交流する際に、標準語=普通語で対応できると書きました。
が、その観光客たちが中国人同士で会話をしてるのを聞いたことありますか?
もちろん、中国語でワーワー言ってる為、聞き取れる訳はないですよね。
じゃあ、中国語がある程度分かる自分は聞き取れているのか?
答えは NO です。というより、1㎜も何を話してるのか、全く分かりません。
なぜ?
それは、彼らがほとんど地元の方言で話をしているからです。
いやいや、大袈裟でしょう?東京の人だって、最近では関西弁も九州弁も全部は分からないかもだけど、ある程度のニュアンスぐらいは分かるんだし、いくら中国語だからって、方言でそんな極端に分からないなんて。って思いませんか?
でも、それが中国語の現実なんです。
東京を例にした場合、23区全ての区で方言が全く異なるぐらいの感覚になります。しかも、多少の差ではなく、かなり大きな差で方言が異なるケースがある為、隣町の人と方言では話が通じないレベルにもなるんです。
何回も言いますが、中国は広いんです。前回も書いたように、北京語、上海語、広東語が有名な中国を代表とする方言になってはいますが、実は、各省の各市、各県、各村、各エリアで、それぞれがそれぞれの全く違う中国語の方言を話しています。しかも、数十キロ離れるだけでお互いがコミュニケーションすら取れないほどになってしまいます。方言なので、発音が全く異なるのも当然ですが、単語の漢字の表記すら方言によって変わってきます。
☆中国は省→市→県→村という順序となります。県=町と同じ意味です。
やっかいですよね。
私も、妻の故郷である浙江省に行くと、皆が方言で会話する為、何の話をしてるかも分からない、孤独状態に陥ります。
しかも、浙江省の省都である、杭州市の杭州語と妻の故郷である杭州市桐盧県の桐盧語では全く言葉も違うんです。同じ省内出身の中国人親戚も、妻の故郷に来ると、半分以上会話が聞き取れなくなると言っていました。
だからこそ、普通語があるんだということになるんです。が、じゃあ普通語が中国人全員が話せるかというと、奥地に行けば話せない人もいたり、話はできるけど、漢字は書けない人もいたりと、まともに教育を受けれてない貧困層がいるのも実態なんです。
なので、中国のテレビをつけると、全てのチャンネルの番組に必ず、普通語の字幕が流れてます。日本のテレビでよく見る、強調するための面白テロップとかではなく、ごくごく普通の字幕です。これは、普通語が耳では聞き取れない人の為に、字幕もつけて、より多くの視聴者に理解してもらうための対策なんです。
さて、話を戻しますが、中国には多くの方言があることは分かったと思いますが、その代表となるのが、北京語、上海語、広東語です。
上海語は、上海市内のみしか通用しない言語です。広東語は、ジャッキチェーンや香港映画、中川家礼二のものまね(あれは雰囲気だけ似せてる風のメチャクチャな広東語ですが)の言語が広東語になりますが、実際は、香港や広東省周辺の比較的広い地域で使われている言語です。とは言っても、同じ広東語でも香港人が話す広東語と広東省の人が話す広東語は、結構違ったりもするので、正式には全く同じ広東語とも言い難いとこですけどね。
もし今後、中国人のビジネス客や中国人観光客と接する機会がある人は、日本語や英語だけではなく、先ずは、普通語で簡単に挨拶(こんにちは=ニーハオと)すると、相手はすごく喜んでくれると思います。
そこを応用し、もし相手が上海人であれば、上海語の挨拶を取り入れた方が、よりお客も嬉しくなると思います(こんにちは=ノンホウ)。
もし相手が香港人や、広東省の人であれば広東語で挨拶してあげると、よりお客も嬉しくなると思います(こんにちは=レイホウ)。
☆ちなみに、台湾は普通語も主流ですが、方言となると閩南語(ミンナン語)という福建省の方言と同等の言語になります。
(閩南語については私も知識がありません。)
要は、お客となる中国人の出身地が事前に分かっていれば、そこの方言で簡単な挨拶をすることで、相手がより喜ぶおもてなしに繋がるのではないでしょうか。
ということで、今回はこの辺で。
次回は、中国語の簡体字や繁体字って何?という話をしていこうと思います。
長い文章に付き合っていただき、ありがとうございました。