インバウンド観光ビジネス ~中国専門ブログ~

中国住在歴12年の経験と知識から、対中国インバウンド観光ビジネスにおける考えや、提案を発信していきます。

第7回 中国人のトイレの使い方ってどうなの?

今回は、中国人のトイレの使い方と対策などについて書いていきます。

よく、飲食店を始め、外国人と商売で関わるいろんな人から、外国人のトイレの使い方が汚いという話を聞くことがあります。
もちろん、日本人だって、トイレの使い方が完璧かと言えば、そうではない現状もあるとは思いますが、そうは言っても、トイレに関しては日本の方が世界よりも結構先を行ってる文化であるのも間違いなく、たかがトイレに、戸惑ってしまう外国人が多いこともすごく理解できます。

先ずは、中国のトイレ事情から。

私が、中国に行った04年時点のトイレは、まだまだ、所謂、ニーハオトイレ(個室に扉がないトイレ)も多く、扉はあっても、大人の足の長さほどしかない扉で、上から覗き込まれればニーハオできるトイレがある時代でした。
特に公共のトイレは有料のところもあったり、紙も有料だったので、入り口にいる受付のおばさんやおじさんに、お金を払うシステムだった頃も懐かしく感じます。激臭のするトイレの受付で普通に食事をしてたおじさんやおばさんの姿も懐かしいです。

それから時が経ち、中国のトイレもかなりマシになってきました。どちらかというと、全体を見る限り日本でいう和式タイプの方が多いですが、都市部では洋式タイプも結構当たり前になってきてるようにも見えます。

とは言っても、やっぱり日本ほど衛生的でくつろげる感覚は無く、慣れてる人が中国では綺麗なトイレだと思っても、中国初心者の人からすると、ゲッって思う人もいるかもしれません。

そういう中国のトイレ事情なのですが、日本に来てる中国人観光客のトイレの使い方でよく問題になるのが、トイレットペーバーの持ち出しとトイレットペーバーを流さないことが取り上げられます。

先ず、トイレットペーバーですが、基本、中国では全て紙は持参です。スーパーなどでポケットティッシュが大量に売ってるので、みんな日常的にそれを買い、常に持ち歩いてます。もしくは、トイレの入り口に1個だけトイレットペーバーが備え付けてあり、それを必要な分だけ取って個室に入るパターンもあります。もちろん、高級ホテルやそれなりの場所や施設によってはトイレットペーパーが備え付けられてるところもありますが、基本的にはないという感覚でいた方がいいと思います。

特に、中国の田舎に行くと、トイレにトイレットペーパーが置いてるのを見たことない人もいるはずなので、日本のトイレに、大量のストックのトイレットペーパーが置いてあると、あ、無料で使えるなら、これ勝手に1つぐらい貰ってもいいのかな、有難いなと何の悪気も無く持ち出す人がいても、確かにおかしくはありません。

次に、紙を流さない問題。日本では使用した紙を流すのは当たり前で育ってますので、それが日本人の常識ですが、中国ではまだ場所によってはトイレの下水道インフラが整ってないケースや、高価格な水に溶ける紙などをあまり使用していないこともあり、使用後の、紙は、便器の隣に設置してあるゴミ箱に捨てるのが常識となってる場所が多いんです。正直、ゴミ箱に捨てるのは、自分も嫌だったので日本と同じように流してました。が、ある時、嫁の両親や親せきらと会話してる中で、トイレの紙を流したと言う話を偶然したら、流したら紙が詰まって大事になる可能性があるから、流したらダメだと注意されたことがあったのを覚えています。

要は、日本と中国で、生まれてこれまで当たり前と思っていた根本的な常識が違うんです。
なので、日本人はよく郷に入れば郷に従えと言いますが、そもそもの常識と価値観が違う為、郷に入りたくても、日本の郷への入り方が分からない人が多いのが今の現状になってると分析しています。

確かに、最近では、トイレットペーパーの持ち出し禁止や、紙は流してくださいとかは中国語での注意書きがされてるトイレも増えてると実感してます。
でも、もう一つ、そこに加えて、『なぜトイレットペーバーは無料で使っていいのに持ち出しはダメなのか?』、『なぜ、使用後の紙は、ゴミ箱ではなくトイレに流していいのか?』などの理由や説明書き。プチ情報などがトイレに書いてあるだけでも、中国人としてはなるほど、そういうことなんだね、日本と中国はそういう理由で違うんだねと、相互理解とマナーやルール向上により深く繋がってくると思うんです。

特に、都市部の若い層よりも、地方都市の年配者層の人には、よりしっかりとしたトイレルールやその他マナーは教えた方がいいでしょう。

その理由として、私の肌感覚ではありますが、現在の中国人の50代、60代の人らと接し、話しをする中で、特に感じるのは、私たちの祖母(80~90歳代)もしくはそのもっと上の世代の人らと同じような価値観や考えの人がまだ多いということなんです。つまり、日本で例えると、私どもの祖父母が子供だった戦前の時代からたった20~30年で一気に21世紀のスマホ文化にタイムスリップしてる感覚が今の、中国の発展状況なので、戦後、徐々に徐々に段階を踏んで成長してきた日本人の感覚とは異なるんです。

そのような中国の背景もあり、特に年配層の人らは物は一気に豊かになったけど、考えや、ルール、マナー、常識などについては20~30年前のからなかなか追いつけてない状況の人が多いとも感じています。

だからこそ、私たち受け入れる側も、根気強く、しっかりルールを伝え、お互いが気持ちよく利用してもらえるトイレにしてもらえる努力とおもてなしの発想が必要だと思っています。

それでは今回はこの辺で。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は、同じトイレの話題で、中国人のウォシュレット問題について書いていきます。