インバウンド観光ビジネス ~中国専門ブログ~

中国住在歴12年の経験と知識から、対中国インバウンド観光ビジネスにおける考えや、提案を発信していきます。

第8回 中国人とウォシュレット

前回は、中国人のトイレ常識は日本人とは違ったんだよという話でしたが、今回は、中国人とウォシュレット(商品名を使わなければ温水洗浄便座と呼ぶらしいですが)について話をしてみたいと思います。

ウォシュレットは、日本のどこに行ってもほとんど普及してる状況で、もうウォシュレット無しではトイレに行けないという人も多いのではないでしょうか?

これが、日本では普通ではあっても、海外に行くと逆にウォシュレットがないことが珍しいぐらいなので、やばい、困る、ストレスという人も結構いると思います。

ちなみに、ここ最近、中国の大都市中心に高級外資系ホテル、日系デベロッパーが作ったオフィスビルやマンションのトイレには、ウォシュレットが備え付けれられたりもしてますが、一般家庭や、普通の街中の施設、公共トイレまでにはほとんど普及していません。

そうは言っても、一時期の爆買いブームで、ウォシュレットが飛ぶように売れてた時期もありましたが、最近はだいぶ落ち着いてるようです。

確かに、中国人にとってもウォシュレットは快適のようで、日本で初めて経験し病み付きになった人も多いのではないでしょうか。
ただ、それを中国に持ち帰った時、おそらくいろんな問題が起こることが想定できます。

日中間の電圧の問題、コンセント位置の問題、トイレの作りの問題など、各々住んでる家事情なども含め、購入しても設置できない問題もあるとは思いますが、その中でも一番大きいと思われるのは、日本の家とは違い、トイレとシャワールームが同じ場所にある問題が大きいと思われます。

日本でも、トイレとシャワーが分かれてないユニットバスは普通にあるよと思うでしょうが、日本のユニットバスとは意味が違います。それは何か。
中国のシャワールームには浴槽がないケースがほとんどです。それに加え、シャワーとトイレの間にカーテンのような仕切りがない家もたくさんあります。

それによって、何が起こるか?
シャワーを浴びると、トイレとの距離も近いせいでシャワーのお湯がバンバントイレにも飛び散り、結果シャワーが終わったら、同時にトイレも水浸しになっている現象が起こります。
少なくとも、自分が過去に住んでた家、嫁の家族や親せきの家はほとんどそんな感じでした。

もちろん中には、トイレとシャワールームがしっかり分かれて、トイレにシャワーが一切かからない内装の家もありますが、全体から考えると、まだトイレがビシャビシャになる家の方が多いんではないかと思っています。

そんな家に、ウォシュレットを設置するとどうなるか?
感電の恐れなど危険が伴うため、容易に設置ができないんです。

そういう事情から、ウォシュレットを買う人が減ってきたと推測できるのと、中国でも模倣品が安くで販売しだしたことも理由になるのかもしれません。

そういう現実の中、ウォシュレットを知らない中国人にどうウォシュレットを使ってもらうか。

特に、地方都市の人や年配者の観光客は、一度もウォシュレットに出会ったことない人も多いので、日本のトイレに入り、見たことないボタンがたくさんあることで、逆に混乱したり、ビビったりする人もいるでしょう。しかも、何か分からずにとりあえずボタンを押してみたことで、急に後方から水が出てきたら、驚くに違いありません。

蛇足ではありますが、私が10年ちょっと前に、農村部の友人の家に泊まりに行った時の話です。その家のトイレは、外にあり、カーテン一枚でトイレと外が仕切られていました。カーテンを開けると、大きな壺が一個置いてありました。それがここの家のトイレでした。また、部屋の寝室の隅にも赤い小さめの蓋付のバケツが置いてあり、夜トイレに行きたくなったらここにするようにと指示がありました。
他にも、知人から聞いた話では、家の外の地面に穴が掘ってあるだけで、そこがトイレだったいうエピソードもあり、中国の田舎のトイレ事情に驚いたことが幾度もありました。そう、考えると、ウォシュレットはすごく贅沢品で、富裕層から見ると欲しくなるのは分かりますよね。

ここまで、綴ってきたように、ウォシュレットがいくら、中国人に人気があるからと言っても、まだまだ、使ったことある中国人はごく一部であり、多くの中国人がウォシュレットを使ったことない現実もあります。
観光施設や、ホテルや旅館、公共施設、お店のトイレなどでは、ウォシュレットの使い方の表記をしっかり書いておかないと、トイレの使い方でトラブルが起こったり、使用者側も、使用させた側もどちらもが凹むような結果にならない為にも、しっかりと中国語で使い方や、各ボタンの翻訳説明も入れてあげるのがベストではないかと考えています。
また、これは日本人の中でも迷った人がいるかもしれませんが、『流す』ボタンがどこにあるかが分からないトイレも最近多いと感じており、『流す』ボタンが分かりにくいトイレに関しては、はっきり場所や言葉の表記をしてあげるのが親切です。ある中国人は、『流す』ボタンが分からなくて、緊急時の『SOS』ボタンを押しそうになったという人もいましたので。

トイレを、清潔にストレスなく気持ちよく使ってもらうためにも、しっかり相手の国の情報を知り、しっかり対策しておけば、何の問題も起こらないですよということを伝えたく、今回はこの辺で。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は、中国人の声ってなんでそんな大きいの?という話をしていきます。