インバウンド観光ビジネス ~中国専門ブログ~

中国住在歴12年の経験と知識から、対中国インバウンド観光ビジネスにおける考えや、提案を発信していきます。

第17回 中国の病院と医療ツーリズム①

お久しぶりです。
前回の更新からだいぶ、時間が空いてしまいました。

今回は、今徐々に、増えてきている、中国人の医療ツーリズムと関連する話をしていきたいと思います。

医療ツーリズムも流行りだしてるとはいえ、まだまだ、病院側の対応ができないとか、中国人や外国人の受入れが厳しいとかいろいろな理由があり、ビジネスチャンスとしてまだ対応できない病院が結構多いかと思います。

でも、中国人は、日本の病院を求めてる人も多いですし、言葉が分からなくても日本の病院で治療したがったり、健康診断をしたがったりしてる人も多いです。なので、外国人を対応できる環境さえ作ることができれば、ビジネスチャンスとしてはまだまだ拡がっていくと見込んでいます。

しかし、受入れ環境と言っても何から対応をすればいいのかが分からない現状もあると思います。
また、日本の病院の何に魅力を感じてもらってるかも分からない人もいるかもしれません。

そこで、私自身が中国で、中国の医療や病院と関わった経験を書いていくので参考にしてもらえればと思います。

1 中国の病院は診てもらうのに、1日がかり
基本、中国の病院は、料金先払い制です。最初にお金を払わないと、診察もしてくれません。
中国の各都市部にある人民病院(=国管理の総合病院)とかでは、先ずは受付で受付料を払います。受付料も病院によっては長蛇の列です。
その後、診察料の支払。ここも病院によっては長蛇の列です。支払い後、長時間待たされて、診察。しかし、患者が多いので、長時間待たされた挙句、医師の問診は1~2分で結構雑に終わるようなこともよくあります。その後、血液検査や、点滴などがある場合は、まだ支払カウンターに並び、支払い後、受付で、点滴道具一式などの道具を持って、その部屋まで行き、看護師を呼んで、セットしてもらいます。
それが、終わると、場合によってはまた医師の診断や話もあったり、薬の受付けに行き、そこで支払いをし、ようやく薬を渡されて帰れるという流れです。普通の風邪の症状であっても、こんな感じです。
身体がきつくて、病院に行くのに、長時間並ばされた挙句、受付、診察と支払場所も大きな総合病院を行ったり来たりしないといけない為、家族の付き添いも多く、並ぶのも患者の家族が代わりに並んであげたりしてるので、患者+αが病院の中にいるので、病院内の人口だけでもかなりの数になるんです。
それだけ、診察してもらうまでに面倒くさいことが多い為、半日から、症状によっては丸1日かかってしまうこともよくあります。

2 診察が適当
中国人の医師は、日本のように給料が特別高いわけでもなく、日本のように名誉ある職種とは言われてないこともあり、結構いいかげんな医師も多くいます。しかも、患者数も、日本とは比にならないほどいる為、一人一人の対応が疎かになりがちです。なので、結構誤診もあったりというのはちょくちょく聞きます。また、医師との1対1の診察中に、患者が平気に扉を開けて、入ってくるケースも多々あります。これはもう10年以上前の話ですが、私の知人がお尻あたりにできた皮膚病の診断で病院に行き、医師の前でズボンを脱いだのですが、その真後ろに全く知らない患者がぴったり座っていたということもありました。でも、医師も注意はしないんですよね。要は、これが中国では結構当たり前だったりしています。

3 薬の違い
中国人が日本に来ると、たくさんの薬をドラッグストアから買って帰ります。じゃあ、中国の薬はどうなのか?中国の薬も漢方はもちろんですが、たくさんのいろんな薬があります。
じゃあ、日本の薬と中国の薬は何が違うのか?
漢方は別ですが、その他薬に関して言うと、効果と副作用が挙げられます。
日本の薬の特徴は、副作用を抑えるために、効果も徐々に効くようになっています。その為、数日間飲み続けてようやく完治するといった効き目になっているはずです。しかし、反対に中国の薬は、一発で効果が出て、即効性はあります。が、副作用が強く出ることがあります。
これは、私の経験ですが、ある日、体調がすこぶる悪くて、病院に行き、もらった風邪薬を飲みました。それからしばらくして、お腹の調子が悪くなり、トイレに駆け込んだら、真っ黒なタール便が出たことがありました。メチャメチャ怖くなって、薬を飲むのをやめたら、その後一切、タール便はありませんでした。その代わり、薬を飲んだお蔭で病気はすぐよくなりましたが。

4 入院病棟
中国の病院は患者数も多いと、入院患者も必然的に多いです。なので、ベッド数も足りないことも多々あります。
なので、入院病棟に行くと、結構な頻度で、部屋に入れない入院患者が廊下に簡易ベッドだけ用意されて、そこに寝かせられてる光景をよく見ます。また、中国の病院には、病院食という物は存在しません。食事は、家族が持ち込んだ料理だったり、病院近くの飲食店からの出前がメインとなります。病院側も、患者の症状に合わせて食事制限などの指示命令も特になく、患者や家族が自ら考えて注文したり持ち込んだものを食べたりしています。以前、脳梗塞で倒れた、患者さんがいたのですが、その日の夜に、看護師が出前のメニューを持ってきたんです。メニューは全て中華料理の油こってりのメニュー表でした。脳梗塞の症状をより悪化させるつもりなのか?と思いましたが、それぐらい、食事と治療について考えてないんだなということが分かりました。

ここまでの、1~4を見てもらっても分かるように、何故、中国人が日本の病院を求めてるかが少しは分かっていただけたでしょうか?
基本、中国人は自国の医療も医師も信頼していない人が多いです。
もちろん、中国にも、優秀な医師や、日本人医師でも難しいと思うような手術を意図も簡単に成功させる医師だっています。
しかし、そのような医師に担当してもらったり、手術してもらう場合は、それなりのお金やコネクションが必要です。
そのような現実もあり、海外へ行ってでも安心、信頼の治療をしたい、環境のいい場所で治療をしたいと思ってる中国人もたくさんいます。
なので、病院側としては、中国人を取り組むことは非常に、売上的にも大きなチャンスとなります。

ということで、長くなりましたので、今回はこの辺で。
次回もこの続きを書いていきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

第16回 中国人とアメニティグッズ

今回は、ホテルについての話をします。

先ず、中国のホテル事情から話をすると、一応中国国内のホテルにもランクがあり、3つ星、4つ星、5つ星とレベルがあります。
もちろん、世界的にも有名なホテルも多くありますが、実際泊まると、5つ星ホテルなのに大したことなかったり、結構な金額を払ってるのに宿泊者をがっかりさせるようなホテルもあります。
そのような話をよく聞くので、以前中国のホテルに詳しい人に、質問したことがありました。すると、意外な答えが返ってきました。
『中国のホテルの星は、ホテル側の自己申告』と。
本当にそれが真実かは分からないのですが、ホテルのランクとホテルの中を見ると、それも納得いく感じもあります。

また、最近もニュースなどで話題になっておりましたが、ホテルに用意してあるタオル問題。

私も、中国でホテルに泊まる時は、耳にタコができるほど、妻から、ホテルのタオルは絶対使うなと言われていました。
そうは言っても、大丈夫だろう、そこそこのホテルであれば尚更そう思ってましたが、ニュースにもなってたように、客がチェックアウトした後にタオルで床やトイレを拭いてたことが明るみになり、妻からの忠告を流してはいけなかったとも感じていました。

そして、今回のテーマであるアメニティグッズ。
中国のホテルにも、歯ブラシや、くし、カミソリ、などの基本アメニティグッズからオシャレなグッズなどもホテルによっては見かけることもあるので、中国人でもホテルに泊まる機会がある人は、アメニティグッズがどんなものかは分かっているはずです。

ですが、時々、問題になってるのが、日本への観光で泊まったホテルで、アメニティグッズ以外の物を持ち帰ろうとするケースです。

実際、私の周囲の中国人たちの中にはさすがに、このようなトラブルを招いた人は誰もいませんが、日本のあちこちのホテルや旅館などでの被害報告も出ており、ネット検索するだけでも、あれこれ出てきます。

では、なぜこんなことが起こってしまうのか?

ネット記事などには、ドライヤーや浴衣、掃除機、電球などの部屋に置いてる備品などを持って帰られた内容なども書いてましたが、中国のホテルでそれを持ち帰れるかと言うと、答えはNOです。普通の、中国人の人もそれらを持って帰っていいという認識はないと思います。

もちろん、洗面所に置いてあるアメニティグッズは中国も持って帰っていいように置いてますし、日本もそこは大きく違わない置き方をしてあります。ただ、よくよく考えると、ドライヤーは日本は引出しに入ってるケースが目立ちますが、中国はドライヤーが壁に設置してあり、持ち出したくても、持ち出せない置き方になっています。さすがに、掃除機や電球については、中国でも持ち出しは先ず有り得ない為、確信犯のような気もしますが、旅の気の緩みか、ホテルの宿泊自体に不慣れな人が純粋に貰っていい物だという認識の可能性は0ではありません。

なので、受入れ拒否や受け入れを消極的にしてるところもあるかもしれませんし、取られても泣き寝入りしてるところもあるかもしれません。

じゃあ、どうやって、それを防ぐべきなのか?

結構、簡単でどこの旅館やホテルでも実践できる解決方法が1つあります。

海外によく行く人からすると普通の事とは思いますが、中国であっても、チェックアウトの時は部屋キーを返すだけではなく、必ずフロントの人がOKを出すまでその場を離れてはいけません。その待たされてる間何をされてるかというと、部屋の最終点検なんです。
従業員が、チェックアウトした部屋を一通り確認し、有料の飲み物を飲んでないか?備品がなくなってないか?などのチェックをしています。中国のホテルは、宿泊前に、必ず、数百元(約5000円~1万円)のデポジットを払うのが通常になっており、もし、金銭的なトラブルが起こった場合、そのデポジットからお金を支払うシステムになっています。

なので、中国での宿泊感覚が当たり前になってしまった私自身が、日本のホテルに泊まりチェックアウトした時、キーを返してすぐに、『ありがとうございました』と言われたのは、すごく違和感がありました。もし、自分が嘘ついて何か盗んでたり、部屋内を故意に傷つけてたり、有料のドリンクを飲んでいて自己申告してなかったらホテルはその後どうするんだろう?と。

日本人のホスピタリティの素晴らしさ、客を一番と思い信じる経営側の気持ちは本当に素晴らしいと思います。
ただし、その一方で、既に日本人社会だけでは成り立っていない現実があるわけで、これまでの日本人のみでの常識や価値観は変えていくべきです。そうでないと、今後も、宿泊してもどんどん物が盗まれるようなことが起こってもおかしくないですし、そこに付け込む外国人も既に出てきてる可能性も有ります。

先ずは、早急にホテル、旅館もチェックアウト時には、お客を数分待たせてもいいので、必ず部屋や備品のチェックをすることを徹底すべきです。
中国でも他国でも常識の行為なので、そこは、お客からしても疑問には思わないはずです。
旅館やホテルの損害・リスクを回避するためにも、先ずは日本全国の宿泊施設で徹底していくべきことであると考えています。
今後、外国人がどんどん増えていけばいくほど、このような問題は広がっていくと予想されます。
日本のこれまでの固定概念や常識を捨てて、外国人と上手く渡りあう為の、施策を考える時になっていると思っています。

ということで、今回はこの辺で。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

第15回 中国人って本当に刺身好き?

お久しぶりです。
前回より、だいぶ時間が空いてしまいましたが、今回も前回の続きである、中国人の食事の味覚について書いていきます。
今回の話題は、寿司、刺身、ラーメンについての中国人の味覚について書いていきます。

ここ数年、多くの寿司店やラーメン店に、中国人を始めとした、外国人観光客が殺到しているニュースを見たり、実際目の当たりにしている人も多いと思います。そのようなこともあり、寿司店もラーメン店も外国人を受け入れる体制を整えてる店も増えてきています。

確かに寿司店やラーメン店が中国人観光客に大人気なのは、紛れもない事実ですが、中国人観光客の全員が刺身や寿司、ラーメンが好きだと思ってる節はないでしょうか?

実は、生魚やラーメンを嫌い、食べれない、と思ってる人も結構多いのも現状です。

あれだけ、大人気なのにそんな人いるの?と思うかもしれませんが、その理由を説明していきます。

先ず、中国で食べられている、中国料理はほぼ全ての料理において火がしっかり通っています。
前回でも話したように、生野菜すら食べる習慣は少し前までありませんでした。
なので、トマトやキュウリやレタスも炒めた料理が出てきます。

しかも、中国で食べれる魚料理は、日本ほど種類は多くありません。
もちろん、海沿いの地域が、内陸の地域かでも魚の種類は変わってきますが、例え海沿いの地域で新鮮な魚が採れる地域であっても、生で食べるかどうかは意見が分かれます。
内陸の方では、海の新鮮な魚があまりない為、川魚料理が多く、それこそ、雷魚のような魚を全て油でカリカリに揚げたり、香辛料や唐辛子で泥臭さを少しでも抜くような工夫がされた料理が出されます。
海の魚として出されるのも、私の経験上は、主に鰈の蒸した料理が多かった印象です。

そのような食習慣と文化の為、生魚を食べること自体慣れてない人が多いんです。なのに、これだけ刺身や寿司が好きな中国人が多くなってきているか?理由の一つとしては、日本料理屋が中国にたくさんできたこと。日本料理屋は中国の中では、そこそこ値段が高い方のお店になってきますが、これだけ富裕層や中間層も多くなってきた中で、人気もあります。もちろん、刺身や寿司もメニューにあります。もちろん、そのようなお店に頻繁に行ったり、日本へ行く機会が多かったり日本ツウの人は、刺身や寿司が好きな人は多いし、食べ慣れています。

ただ、日本へ旅行に来る中国人は日本が昔から好きで、日本のことをよく知ってる人ばかりではありません。
日本のことをよく知らない人、日本料理屋にもあまり行ったことない人もたくさんいます。
例えば、旅行者のグループの中で何人かは日本料理が大好きな人がいても、残りの何人かは日本料理に馴染みのない人もいるわけです。
その馴染みのない人たちからすると、寿司屋に行っても、逆に食べれるものがない、寿司や刺身をみても美味しそうとは感じなかったり、魚を生で食べること自体に、抵抗を感じたり、気持ち悪いと思う人がいてもおかしくありません。結果、寿司屋にいっても食べる物がないので、サイドメニューぐらいしか食べれる物がないと思われます。なので、寿司初心者には、回転寿司の方が、サイドメニューも豊富の為、寿司が苦手な人にも合っているかもしれません。実際、中国人観光客には、高級寿司店よりも、ファミリーでワイワイ食べれる回転寿司が人気だという情報も聞いています。

また、中国人に人気のある寿司や刺身は、特にサーモンです。サーモンは、中国の外資系スーパーとかにも刺身が売ってることもあり、食べ慣れてる人も多くなってきていますし、好きな人も多いです。反対に、白身魚や青魚は、コリコリ感や魚の臭みなどを感じる人もいる為、初心者は抵抗する人が多いと思います。

次にラーメンの話です。
日本のラーメン店も、中国にはたくさん進出しています。特に、九州豚骨のラーメンが多く人気があります。
なので、私自身もラーメンは、中国人観光客にはテッパンの料理だと思っていましたが、妻の両親が日本に来た時、九州で人気の博多ラーメンの店に連れて行ったのですが、こってりしすぎて、美味しくないとの感想でした。また、台湾人の知人が多い人から聞いた話では、台湾人も豚骨ラーメンはこってりしていて、あまり好きでないという感想が多いと聞きました。

私自身も、中国で豚骨ラーメンの店が成功してるのを見て来たので、意外な感想だと驚いたのですが、やはりこれも日本ツウの人や日本食に慣れてる人と、慣れてない、初心者の人との違いであると感じています。

基本的に、中国のラーメンはあっさり系の醤油ベースや塩ベースが多いです。最近では日本でも店舗展開している蘭州ラーメンなどもありますが、
基本、超あっさり系が多く、日本人の味覚からするとあっさり過ぎて物足りなかったり、スープに深みがなく、調味料だけで味付けされてる感も否めません。

でもそれが当たり前と感じてる中国人からすると、日本のラーメンは油っぽくて、こってりで、重いと思う人もいるのが現実のようです。
中国料理自体が、油っぽく、こってりで、味付けも濃いのに、ラーメンについてはこのような感想が返ってくることは意外でした。

総括すると、必ずしも、全員が寿司や、刺身、ラーメンが大好きではないという事実をお伝えし、逆に好きでないお客にも提供できる中国人に受けるサイドメニューなどの開発もしていくと、より観光客の受け入れの幅が広がるはずです。

ということで、今回はこの辺で。
次回はホテルのマナーなどについて書いていきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

第14回 中国人って本当に日本料理好き?

お久しぶりです。
日々更新していたブログでしたが、前回の第13回から少し時間が経ってしまいました。

さて、今回は、中国人の食事、特に味覚についてのお話をしていきます。

ここ数年テレビをつけると、世界では日本食ブームだ、和食は世界無形文化遺産で世界中の人に愛されてるんだというニュースや報道を見ますし、外国人が日本に来て、寿司、ラーメン、焼肉とみんな日本食大好きと言ってますが、本当にそうなんでしょうか?という疑問を中国人の感覚から紹介していきます。

特にここ10年の間に、上海や北京を中心とした、大都市部では、日本大手の飲食業界がどんどん進出しており、大ブームにもなっています。
私の知ってる限りでは、サイゼリヤ、ココ壱番、一風堂一蘭吉野家すき家松屋モスバーガーミスタードーナツはなまるうどんなどまだまだ全て挙げれば、キリがないほど、名前がでてきます。私の出身の九州からも、福岡の『筑豊ラーメン山小屋』が深セン駅構内に店舗を構えてたり、福岡の有名ラーメン店『一幸舎』は広州中心に拡げています。

なので、確かに、日本食がブームなのは間違いないですし、日本より1.5倍~2倍近い価格にも関わらず、大行列を作って並んで食べている現地の人たちが大勢います。

じゃあ、中国人からすると日本料理はすごい美味しいのか?というとこれはちょっと違うんです。

もちろん、美味しいと思ってもらってるとは思いますが、中国料理に比べたら中国料理が一番だと思っているはずです。はずと言うより、そう周りの中国人たちははっきり言っています。

そして、中国人たちからの日本料理に対して特に多い否定的な意見は、①味が薄い②味付けが甘過ぎる③野菜料理が無い④揚げ物ばかりが代表的に挙げられます。

この意見に対して、どう思いますか?その理由を解説していきます。

①味が薄い
これは、中国料理の味が基本濃いからです。濃いというよりも、はっきりとした味付けがされており、インパクトもはっきり出ているからです。中国も広いので、各都市や省によって、味付けや料理方法、使う調味料なども全く違うので、一色端にはできませんが、例を挙げると、上海料理は日本に近い甘い味付け、広東料理は日本で食べる中華料理に近い味付け、北京などの東北料理は、味が濃くてしょっぱい味付け、湖南料理はほぼ唐辛子で埋め尽くされた口から火が出るぐらい辛い味付け、四川料理は日本でも最近流行ってる山椒などのスパイスを効かせた、辛くて痺れる味付けなどと分かれてきます。
皆が、それぞれの味覚をもってる為、同じ中国人同士でも出身地によって味覚が異なっています。
そんな中で、日本料理は、甘めの味付け、繊細、優しい味が多いですが、この日本ならではの味覚をどこまで本気で美味しいと思ってもらえるかは分からないところです。もちろん、日本人ならこれが日本の味だと自信をもって提供するでしょうが、中国人からするとインパクトに欠けるなんとも言えない味付けだと思う可能性も十分に有るんです。

②味が甘すぎる
これも①と共通するのですが、上海料理の甘い味付けと日本料理の味付けは多少似てる要素もある為、上海人からすると日本料理は口に合う味付けかもしれません。しかし、上海人以外の中国人には、上海料理を嫌いな人も多く、上海料理は甘すぎて美味しくないという意見も各地方の人からもよく聞いていました。その感覚であれば、日本料理もどこまで美味しいと思ってるかは疑問なところです。

③野菜料理がない
これは意味わかりますか?
中国で生活してる方やしてた方は分かると思いますが、中国のレストランのメニューを見ると、野菜料理のメニューが豊富なんです。
野菜1種類で作る料理もあれば、野菜2種類ぐらいを使う料理とか、組み合わせはさまざまですが、どちらにしても主役は野菜なんです。
しかし、日本の居酒屋にいくと、野菜はサラダぐらいで、あとは、野菜を主役とした料理があまりないのが現状のはずです。
小鉢に入ったきんぴらゴボウやヒジキは中国人からすると、野菜料理と言う感覚ではないでしょうし、中国ではあまり馴染みのない料理と味付けなので好き嫌いも分かれるでしょう。それと、生野菜は中国人には食べれない人が多いです。最近の都市部では生野菜文化も入っては来ていますが、基本野菜は火を通して食べる文化の為、トマトであってもキャベツであっても、レタスであってもキュウリであっても炒めて食べます。
なので、生野菜に拒否反応を示す人もいます。

④揚げ物ばかり
唐揚げ、天婦羅、魚フライ、串カツ、トンカツなどなど、数多くの揚げ物があり、揚げ物は中国人にも大人気です。しかし③でも書いたように、やはり野菜料理とのバランスがとれてない為、揚げ物ばかりでは、バリエーションの少なさに、がっかりされてしまいがちです。実際、この意見も中国人たちから良く聞く意見です。


反対にめちゃくちゃ感動してもらえるのは、牛肉です。牛肉と言っても和牛です。神戸牛や松坂牛の超高級牛肉でなくても、通常レベルの和牛でも大満足してもらえます。私の知人は、中国では牛肉は大嫌いで、一切口にしなかったのに、日本で和牛を知ってからは、牛肉が大好きになりました。ただ、中国では牛肉はやはり食べれないそうです。(中国の牛肉は硬くて、臭みがあります。)

そういうことであれば、牛肉は中国人に受けるのか?というと、これも年齢層によっても分かれるところで、脂身の多い和牛は、中国人の年配者には胃に重いとあまり好まれない人もいます。(もちろん個人差があるので一概には言えませんが) 

なので、現実、味覚って難しいなと思っています。私自身も中国に行った頃、慣れない味などもありましたし、徐々に慣れていった食べ物もありました。しかし、観光客にとっては、たった、数日の思い出となる為、せっかくなら、口に合う美味しい料理を食べてほしいと思っています。
もし、飲食店が中国人観光客をより招く作戦をとるなら、野菜を中心としたメニュー開発を進めるのも売り上げに繋がる面白い試みかもしれません。

ということで、今回はこの辺で。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回は、この続きである、寿司、刺身、ラーメン編について書いていきます。

第13回 えっ!?これが中国人の食事の頼み方?

前回は、中国人の食事中のマナーについて、話をしましたが、今回は食事の注文マナーについての話をしていきます。

注文マナーと言っても、ピンとこない人もいると思いますが、実は私も最近までこの注文マナーについて巷で問題が起こっていたことを知りませんでした。

ある日、知人の飲食店のオーナーさんより、こんな話がありました。

『中国人観光客が増えてきて、有難いんだけど、複数人で来るのに関わらず、売り上げがあまり上がらないんだよね。どうしたもんかなぁ』

ここだけ聞くと、なぜ、お客が増えているのにも関わらず、売上に直結してないんだろうか?と疑問に思えます。

そして、その後に続く話を聞いて、私も、あっそうか、なるほど、盲点だったと納得しました。その内容とは、

『複数で来るのに、注文数はほんの僅か。例えば、3人で来ても2人分しか注文せず2人分を3人で分ける。1人1オーダー、もしくは1人1セットの注文をお願いしたいのに、上手く言葉も通じず、コミュニケーションも取れず、諦めた。しかも1組とかではなく、何組もそんなお客が来るから参っちゃう』

と。この話を聞いたとき、私の周囲にいた、日本人の人たちは不思議そうな顔をしていましたが、私はこの中国人らの注文の仕方にすごく納得してしまいました。もし、この話で、中国人側の注文の仕方に納得できる人は、中国人の事をよく知ってる方でしょう。

なぜ、このような注文の仕方をされてしまうのか?

それは、中国には料理を1人1つという概念が無いことが挙げられます。ただ、もちろん、中国にも麺類もあれば、定食のようなものもあれば、丼のようなものもあります。これらは、1人1つの料理です。ただ、基本、このような料理は、昼食だったり、食堂だったり、ファーストフードだったり、時間がない時にチャッチャッと済ませたい時の料理であって、ディナー形式の複数人で食事を楽しむとなると、回転テーブルに大皿料理が並べてあり、みんなで少しずつシェアして食べるというのが通常です。日本でも中華料理屋は、ほぼそんな感じだと思います。

要は、大皿料理のシェアという感覚が根付いてるため、いくつかの料理を頼んでみんなでシェアしようという考えになるわけです。

じゃあ、3人いるのに3人分頼んでシェアすればいいのに?と思うでしょう?

おそらく、ここは推測ではありますが、どんな料理か分からない、味覚が合うか分からない料理をたくさん頼んで、もし口に合わなかったら?と考えると必然的に少量注文になる、それと単純にそのお客からすると1個1個の料理単価が高いと感じてるからということが考えられます。

また、これが単品料理ならまだ大目に見れるが、1人1セットメニューに対し、2人で1人分のセットをシェアする人もいるとのことで、そこは真剣に困っていました。

ただ、これも、中国であれば、普通に有り得る注文の仕方だろうと思います。当の私自身の話ですが、中国で妻と鉄板焼屋に行った時、1人分を2人でシェアし、足りなかったら、単品を頼むということをやっていました。その時の妻の言い分としては、1人分頼んでも全部食べれるか分からないし、セット内に入っていない単品メニューも食べてみたいから、1人分を2人で分けて、セットに入ってない単品を頼めば、いろんな種類が食べれて、コストもかからないと言ってたのを思い出します。

おそらく、セットメニューについては中国人観光客も同じような考えなのかもしれません。

こうやって、中華料理と日本料理の文化の違いと、注文の仕方を比較していくと、なるほど、そうなのかということが理解できてくると思います。

そこを理解した上で、じゃあ、中国人観光客に、きちんと注文させる方法や仕組みをどうすべきかを考え、お客1人1人に、はっきりとそのお店での注文の仕方とマナーを伝えていくしかありません。そこを事前にしっかり伝えておけば、中国人観光客も理解、納得をし、お店の要望通りトラブルなく注文してくれるはずです。先ずは相手にきちんと伝える努力が必要です。受け入れるお店側としてもしっかり対策をとり、笑顔で美味しかったと帰ってもらえればそこからSNSでの拡散に繋がり、中国人観光客に大人気のお店として話題になる可能性もありますからね。

ということで、今回はこの辺で。
最後まで読んでいいただきありがとうございました。
次回は、中国人の味覚についての話をしていきます。

第12回 中国人の食事の仕方って汚い?

今回は、中国人の食事マナーについての話をしたいと思います。

この食事マナーについては、いくつか、伝えたいことがあるので、何回かに分けて、書いていきます。
その最初としては、食べ方について。

これも、飲食店関係者の人から、中国人観光客は増えてきて有難いけど、その反面、食べ方が汚いんだよねという話はちょくちょく聞いています。

それじゃあ、どう汚いのか?

これから、中国人を受け入れて行こうと思ってる飲食店の方には参考になると思いますし、なんでそんな食べ方するの?と疑問に思ってる人や不愉快に思ってる人には、参考になるかもしれませんので、逆に相手を知る為にも、是非読んでもらいたいです。

先ず、飲食店で一番最初に、店員さんが対応するのが、お冷をお客に持ってくること。日本では、誰もが知ってるごくごく普通の接客ですが、その段階で、中国人には引っ掛かることになり得ます。
何故?冷たい水なの?夏なら、百歩譲って水でも分かるけど、冬でも水なの?
そうなんです。中国では、冷たい水はあまり出てきません。基本的には、100度に沸騰したお湯か、常温の水です。ちなみに、飲食店で出るビールやジュースも常温が多かったりします。最近でこそ、ビールとかは冷たいビールやジュースも増えては来てますが、10年ほど前は、冷たいビールやジュースが出てくる店を探すのが難しいぐらいだった時代でもありました。

なので、日本の飲食店でも、冷たい水ではなく、常温の水か、お湯を求めてくる中国人客は少なくないはずです。
彼らは、冷たい水が嫌いというより、ざっくり言うと慣れていない。もっと言うと、先祖代々幼い頃から、冷たいものは身体を壊すという教えが根付いており、冷たいものは身体に良くないという概念をもっています。いわば、迷信みたいなものだと思ってはいますが、割と本気で信じてます。
なので、冷たい飲み物は夏であっても、拒否する人もいるんです。

で、前置きはさておき、本題に入ります。

中国人の食べ方で気になる点はどこですか?という質問をされた場合、私なら主に2つ挙げます。

1つ目は、食べ方。より細かい表現をすると、咀嚼の仕方。
2つ目は、骨など口から出すべき物の処理の仕方。

1つ目の咀嚼の仕方。これは特に、日本ではなく中国現地で中国人と関わったことある人であれば、気になった方もいるんではないでしょうか?
私は、中国生活が始まったばかりの頃から今現在でも毎回気になっています。
どんなにかっこいい男の子でも、どんなに女優さんみたいな美人な女の子でも、食べる時に、口を半開きにして、クチャクチャ音を鳴らして食べるんです。日本に長く住んでる中国人の人たちは、意識してるのか自然に治ったのか、元々そんな食べ方ではなかったのかは分からないですが、日本人同様口を閉じて食べてる人が多いと思ってますが、中国に行くと、口を閉じて食べてる人を探す方が難しいんです。

この理由を、私の妻にも言及したことがありました。すると、幼い頃、祖母からは口を閉じて、音をさせないで食べるのが礼儀だと教えられたようなんです。でも、いつの間にか、皆、普通に音を鳴らしてたらしいです。正直、人の食べるクチャクチャいう咀嚼音は不快にもなりますが、中国人からすると、それは不快ではないようで、誰も注意しないし、誰もがやってる行為になってしまってます。昔、妻の弟に咀嚼音を鳴らさず食べてほしいとお願いしたことがあったのですが、すごく意識してたのにも関わらず、全くできませんでした。何を言いたいかと言うと、この食べ方は、おそらく、日本に旅行で来たからといって、すぐ改善できるものではなく、長い間の習慣がそうさせてるもので、簡単にはコントロールができるもんじゃないと思ってる為、目をつぶるしかない食べ方なのかもしれません。

次に2つ目の口の中の物の処理。これは具体的にいうと、魚や肉の骨だったり、何かの種だったり、飲み込むことができない物をどう処理するかということですが、中国人の習慣としては、そのままテーブルに口からペッと出します。

汚いと思いましたか?

私も、中国初心者の頃、この習慣には驚きましたし、引いた記憶があります。
日本人だとテーブルに直には吐き出しませんよね。
これが、中国人からすると、お皿の中に、骨や種などのゴミを置くことの方が、マナー違反になるんです。
お皿は、料理が入ってる綺麗なもの。そこに、ゴミを入れるのは汚いという認識になります。
じゃあ、テーブルに出すことはなぜいいのか?
先ず、中国という国が、日本と違い、家の中も土足文化というのも関係しています。最近は玄関で靴を脱ぐ家も多くなってますが、床は汚れても掃除すればいいという、土足文化の意識もあります。
その土足文化と食事マナーの関係とは?

お皿に出すのが汚いと考えるので、必然的に口からテーブルに出します。
食事後、テーブルに出した物を、床に全部落として、床ごと掃除するという手法なんです。
もしくは、テーブルに薄い専用のビニールシートをかけておいて、食事後、ビニールシートごとまるめて捨てるということもあります。


普段がそのような習慣の為、日本に旅行に来ても、飲食店で同じようにテーブルに出すという習慣になってるんだと考えられるんです。

どうですか?習慣の違い少しは理解できたでしょうか?

もちろん、じゃあ、中国の習慣のままで仕方ないねというのも、飲食店側としても不快な思いをするかもしれないので、この特にテーブルの使い方については、食事の前に、注意を促すことをした方がいいかもしれません。でないと、困るのは飲食店側ですし、中国人客たちも、言えば、それが日本の習慣なんだと理解してくれるはずです。
お互いがお互いを理解すれば、不快な気持ちは徐々に軽減していくと思っていますし、中国人客も日本の文化を理解するということで、悪いことは何もありません。

ということで、長くなりましたが、今回はこの辺で。
次回も、飲食マナーの他の話をしていきます。