インバウンド観光ビジネス ~中国専門ブログ~

中国住在歴12年の経験と知識から、対中国インバウンド観光ビジネスにおける考えや、提案を発信していきます。

第15回 中国人って本当に刺身好き?

お久しぶりです。
前回より、だいぶ時間が空いてしまいましたが、今回も前回の続きである、中国人の食事の味覚について書いていきます。
今回の話題は、寿司、刺身、ラーメンについての中国人の味覚について書いていきます。

ここ数年、多くの寿司店やラーメン店に、中国人を始めとした、外国人観光客が殺到しているニュースを見たり、実際目の当たりにしている人も多いと思います。そのようなこともあり、寿司店もラーメン店も外国人を受け入れる体制を整えてる店も増えてきています。

確かに寿司店やラーメン店が中国人観光客に大人気なのは、紛れもない事実ですが、中国人観光客の全員が刺身や寿司、ラーメンが好きだと思ってる節はないでしょうか?

実は、生魚やラーメンを嫌い、食べれない、と思ってる人も結構多いのも現状です。

あれだけ、大人気なのにそんな人いるの?と思うかもしれませんが、その理由を説明していきます。

先ず、中国で食べられている、中国料理はほぼ全ての料理において火がしっかり通っています。
前回でも話したように、生野菜すら食べる習慣は少し前までありませんでした。
なので、トマトやキュウリやレタスも炒めた料理が出てきます。

しかも、中国で食べれる魚料理は、日本ほど種類は多くありません。
もちろん、海沿いの地域が、内陸の地域かでも魚の種類は変わってきますが、例え海沿いの地域で新鮮な魚が採れる地域であっても、生で食べるかどうかは意見が分かれます。
内陸の方では、海の新鮮な魚があまりない為、川魚料理が多く、それこそ、雷魚のような魚を全て油でカリカリに揚げたり、香辛料や唐辛子で泥臭さを少しでも抜くような工夫がされた料理が出されます。
海の魚として出されるのも、私の経験上は、主に鰈の蒸した料理が多かった印象です。

そのような食習慣と文化の為、生魚を食べること自体慣れてない人が多いんです。なのに、これだけ刺身や寿司が好きな中国人が多くなってきているか?理由の一つとしては、日本料理屋が中国にたくさんできたこと。日本料理屋は中国の中では、そこそこ値段が高い方のお店になってきますが、これだけ富裕層や中間層も多くなってきた中で、人気もあります。もちろん、刺身や寿司もメニューにあります。もちろん、そのようなお店に頻繁に行ったり、日本へ行く機会が多かったり日本ツウの人は、刺身や寿司が好きな人は多いし、食べ慣れています。

ただ、日本へ旅行に来る中国人は日本が昔から好きで、日本のことをよく知ってる人ばかりではありません。
日本のことをよく知らない人、日本料理屋にもあまり行ったことない人もたくさんいます。
例えば、旅行者のグループの中で何人かは日本料理が大好きな人がいても、残りの何人かは日本料理に馴染みのない人もいるわけです。
その馴染みのない人たちからすると、寿司屋に行っても、逆に食べれるものがない、寿司や刺身をみても美味しそうとは感じなかったり、魚を生で食べること自体に、抵抗を感じたり、気持ち悪いと思う人がいてもおかしくありません。結果、寿司屋にいっても食べる物がないので、サイドメニューぐらいしか食べれる物がないと思われます。なので、寿司初心者には、回転寿司の方が、サイドメニューも豊富の為、寿司が苦手な人にも合っているかもしれません。実際、中国人観光客には、高級寿司店よりも、ファミリーでワイワイ食べれる回転寿司が人気だという情報も聞いています。

また、中国人に人気のある寿司や刺身は、特にサーモンです。サーモンは、中国の外資系スーパーとかにも刺身が売ってることもあり、食べ慣れてる人も多くなってきていますし、好きな人も多いです。反対に、白身魚や青魚は、コリコリ感や魚の臭みなどを感じる人もいる為、初心者は抵抗する人が多いと思います。

次にラーメンの話です。
日本のラーメン店も、中国にはたくさん進出しています。特に、九州豚骨のラーメンが多く人気があります。
なので、私自身もラーメンは、中国人観光客にはテッパンの料理だと思っていましたが、妻の両親が日本に来た時、九州で人気の博多ラーメンの店に連れて行ったのですが、こってりしすぎて、美味しくないとの感想でした。また、台湾人の知人が多い人から聞いた話では、台湾人も豚骨ラーメンはこってりしていて、あまり好きでないという感想が多いと聞きました。

私自身も、中国で豚骨ラーメンの店が成功してるのを見て来たので、意外な感想だと驚いたのですが、やはりこれも日本ツウの人や日本食に慣れてる人と、慣れてない、初心者の人との違いであると感じています。

基本的に、中国のラーメンはあっさり系の醤油ベースや塩ベースが多いです。最近では日本でも店舗展開している蘭州ラーメンなどもありますが、
基本、超あっさり系が多く、日本人の味覚からするとあっさり過ぎて物足りなかったり、スープに深みがなく、調味料だけで味付けされてる感も否めません。

でもそれが当たり前と感じてる中国人からすると、日本のラーメンは油っぽくて、こってりで、重いと思う人もいるのが現実のようです。
中国料理自体が、油っぽく、こってりで、味付けも濃いのに、ラーメンについてはこのような感想が返ってくることは意外でした。

総括すると、必ずしも、全員が寿司や、刺身、ラーメンが大好きではないという事実をお伝えし、逆に好きでないお客にも提供できる中国人に受けるサイドメニューなどの開発もしていくと、より観光客の受け入れの幅が広がるはずです。

ということで、今回はこの辺で。
次回はホテルのマナーなどについて書いていきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。