インバウンド観光ビジネス ~中国専門ブログ~

中国住在歴12年の経験と知識から、対中国インバウンド観光ビジネスにおける考えや、提案を発信していきます。

第17回 中国の病院と医療ツーリズム①

お久しぶりです。
前回の更新からだいぶ、時間が空いてしまいました。

今回は、今徐々に、増えてきている、中国人の医療ツーリズムと関連する話をしていきたいと思います。

医療ツーリズムも流行りだしてるとはいえ、まだまだ、病院側の対応ができないとか、中国人や外国人の受入れが厳しいとかいろいろな理由があり、ビジネスチャンスとしてまだ対応できない病院が結構多いかと思います。

でも、中国人は、日本の病院を求めてる人も多いですし、言葉が分からなくても日本の病院で治療したがったり、健康診断をしたがったりしてる人も多いです。なので、外国人を対応できる環境さえ作ることができれば、ビジネスチャンスとしてはまだまだ拡がっていくと見込んでいます。

しかし、受入れ環境と言っても何から対応をすればいいのかが分からない現状もあると思います。
また、日本の病院の何に魅力を感じてもらってるかも分からない人もいるかもしれません。

そこで、私自身が中国で、中国の医療や病院と関わった経験を書いていくので参考にしてもらえればと思います。

1 中国の病院は診てもらうのに、1日がかり
基本、中国の病院は、料金先払い制です。最初にお金を払わないと、診察もしてくれません。
中国の各都市部にある人民病院(=国管理の総合病院)とかでは、先ずは受付で受付料を払います。受付料も病院によっては長蛇の列です。
その後、診察料の支払。ここも病院によっては長蛇の列です。支払い後、長時間待たされて、診察。しかし、患者が多いので、長時間待たされた挙句、医師の問診は1~2分で結構雑に終わるようなこともよくあります。その後、血液検査や、点滴などがある場合は、まだ支払カウンターに並び、支払い後、受付で、点滴道具一式などの道具を持って、その部屋まで行き、看護師を呼んで、セットしてもらいます。
それが、終わると、場合によってはまた医師の診断や話もあったり、薬の受付けに行き、そこで支払いをし、ようやく薬を渡されて帰れるという流れです。普通の風邪の症状であっても、こんな感じです。
身体がきつくて、病院に行くのに、長時間並ばされた挙句、受付、診察と支払場所も大きな総合病院を行ったり来たりしないといけない為、家族の付き添いも多く、並ぶのも患者の家族が代わりに並んであげたりしてるので、患者+αが病院の中にいるので、病院内の人口だけでもかなりの数になるんです。
それだけ、診察してもらうまでに面倒くさいことが多い為、半日から、症状によっては丸1日かかってしまうこともよくあります。

2 診察が適当
中国人の医師は、日本のように給料が特別高いわけでもなく、日本のように名誉ある職種とは言われてないこともあり、結構いいかげんな医師も多くいます。しかも、患者数も、日本とは比にならないほどいる為、一人一人の対応が疎かになりがちです。なので、結構誤診もあったりというのはちょくちょく聞きます。また、医師との1対1の診察中に、患者が平気に扉を開けて、入ってくるケースも多々あります。これはもう10年以上前の話ですが、私の知人がお尻あたりにできた皮膚病の診断で病院に行き、医師の前でズボンを脱いだのですが、その真後ろに全く知らない患者がぴったり座っていたということもありました。でも、医師も注意はしないんですよね。要は、これが中国では結構当たり前だったりしています。

3 薬の違い
中国人が日本に来ると、たくさんの薬をドラッグストアから買って帰ります。じゃあ、中国の薬はどうなのか?中国の薬も漢方はもちろんですが、たくさんのいろんな薬があります。
じゃあ、日本の薬と中国の薬は何が違うのか?
漢方は別ですが、その他薬に関して言うと、効果と副作用が挙げられます。
日本の薬の特徴は、副作用を抑えるために、効果も徐々に効くようになっています。その為、数日間飲み続けてようやく完治するといった効き目になっているはずです。しかし、反対に中国の薬は、一発で効果が出て、即効性はあります。が、副作用が強く出ることがあります。
これは、私の経験ですが、ある日、体調がすこぶる悪くて、病院に行き、もらった風邪薬を飲みました。それからしばらくして、お腹の調子が悪くなり、トイレに駆け込んだら、真っ黒なタール便が出たことがありました。メチャメチャ怖くなって、薬を飲むのをやめたら、その後一切、タール便はありませんでした。その代わり、薬を飲んだお蔭で病気はすぐよくなりましたが。

4 入院病棟
中国の病院は患者数も多いと、入院患者も必然的に多いです。なので、ベッド数も足りないことも多々あります。
なので、入院病棟に行くと、結構な頻度で、部屋に入れない入院患者が廊下に簡易ベッドだけ用意されて、そこに寝かせられてる光景をよく見ます。また、中国の病院には、病院食という物は存在しません。食事は、家族が持ち込んだ料理だったり、病院近くの飲食店からの出前がメインとなります。病院側も、患者の症状に合わせて食事制限などの指示命令も特になく、患者や家族が自ら考えて注文したり持ち込んだものを食べたりしています。以前、脳梗塞で倒れた、患者さんがいたのですが、その日の夜に、看護師が出前のメニューを持ってきたんです。メニューは全て中華料理の油こってりのメニュー表でした。脳梗塞の症状をより悪化させるつもりなのか?と思いましたが、それぐらい、食事と治療について考えてないんだなということが分かりました。

ここまでの、1~4を見てもらっても分かるように、何故、中国人が日本の病院を求めてるかが少しは分かっていただけたでしょうか?
基本、中国人は自国の医療も医師も信頼していない人が多いです。
もちろん、中国にも、優秀な医師や、日本人医師でも難しいと思うような手術を意図も簡単に成功させる医師だっています。
しかし、そのような医師に担当してもらったり、手術してもらう場合は、それなりのお金やコネクションが必要です。
そのような現実もあり、海外へ行ってでも安心、信頼の治療をしたい、環境のいい場所で治療をしたいと思ってる中国人もたくさんいます。
なので、病院側としては、中国人を取り組むことは非常に、売上的にも大きなチャンスとなります。

ということで、長くなりましたので、今回はこの辺で。
次回もこの続きを書いていきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。