インバウンド観光ビジネス ~中国専門ブログ~

中国住在歴12年の経験と知識から、対中国インバウンド観光ビジネスにおける考えや、提案を発信していきます。

第10回 中国人よ、なぜ値切る?

早いもので、今回が10回目となりました。
書きたいこと、伝えたいこと、知ってもらいたいことは、いろいろありますが、今回は、インバウンドで中国人観光客を受け入れているお店がよく直面してる値切り問題について書きたいと思います。

最近でこそ、中国も世界的大手チェーン店の進出や携帯決済なども増えてる為、価格が固定になってるところも増えてはきていますが、そうは言ってもまだまだ、価格があってないような店もあります。

おそらく、日本人も中国や東南アジアに旅行に行くと、お土産を買うときなどは、店員さんと値段交渉をしてる人も多いのではないでしょうか?その値段交渉が上手くいったなら、日本帰国後に定価より安く買えたなど、土産話や自慢話としてネタにしてる人もいるのではないでしょうか?

日本でも、大阪に行くと、値切るという言葉はキーワードになっていますし、普段の日常会話に使われてそうですが、中国も同じように、店員がいくらと言っても、定価がいくらと表示があっても、もうちょい安くして、マケテとみんなが日常会話の普通のノリでバンバン値下げ交渉してる光景を見てきました。

私の推測ですが、このような大阪のノリと中国のノリはとても似てるところがあるせいか、中国人には大阪ファンが結構多い気がしています。私自身も、大阪には数度しか行ったことありませんが、なんとなく、大阪は中国とノリが似てるなとは感じています。

このノリで、日本のお店に行って定価でいくらと書いてあっても、ついつい店員さんを呼びつけて、いくらまでなら値下げできるの?とか、大量にこの商品を買うから、もっと安くならないの?とかという値引き交渉が始まるんですよね。

もちろん、日本のお店では原則、口交渉での値引きはしてないところがほとんどのはずなので(電化製品専門店などはあるかもですが)、そういうお店についてははっきり、値引き交渉できない、表示販売のみ等と張り紙を目立つところに貼っておくのが早いと思います。

日本では、原則値引きができないんだよという、日本の常識を、とにかく知ってもらうことが大切です。

余談ですが、十数年前に中国で働いてた会社でのこと。ある日、日本人の上司に、20元(約300円)分の文房具を購入してきてくれと頼まれ、近くの文房具屋に買いに行きました。今でこそ、中国も価格はついてますが、当時はかなりアバウトだったこともあり、お店の人の感覚と交渉で、少し値切ってもらうことができ16元(約240円)で購入し、会社に戻りました。そのことを上司に報告すると、この文房具であれば14元(約210円)まで値切れたはずだと、結構強めのトーンで怒られた記憶が蘇ります。

要は、中国人の文化からすると、とにかく、できるかぎり、ギリギリのところまで下げる、下げてやるという執念、むしろ値段交渉そのもののコミュニケーションが楽しいと思ってる人もいます。

とにかく、値段交渉をされそうになったら、はっきりNOと伝えましょう。

とは言っても、お店については中国自体もだいぶ、値段交渉がしずらくなってきてるので、値切ってと言ってくる人も、昔よりは徐々に少なくなってきてるのかもしれませんが。

日本人がアジア圏などの値切る文化の街に行ったら、逆に値切る面白さにはまってしまう人もいるかもしれませんけどね。

お店においての値切り問題は以上のような話なのですが、これがB to Bのシビアな価格交渉であっても、結構グイグイ下げさせようと、交渉してくるので、中国企業とビジネスしてる人たちは、ここがやっかいな問題にもなってると思われます。

どちらにしても、値切ると言う考えや文化は昔から中国人の根底にあるので、お金が関わる話の時は、よりシビアに交渉していきましょう。中国人は口も交渉も上手ですからね。

ということで、今回はこの辺で。
次回は、同じショッピング問題でも、日本人の感覚では分かりにくい商品信用問題を取り上げたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。