インバウンド観光ビジネス ~中国専門ブログ~

中国住在歴12年の経験と知識から、対中国インバウンド観光ビジネスにおける考えや、提案を発信していきます。

第12回 中国人の食事の仕方って汚い?

今回は、中国人の食事マナーについての話をしたいと思います。

この食事マナーについては、いくつか、伝えたいことがあるので、何回かに分けて、書いていきます。
その最初としては、食べ方について。

これも、飲食店関係者の人から、中国人観光客は増えてきて有難いけど、その反面、食べ方が汚いんだよねという話はちょくちょく聞いています。

それじゃあ、どう汚いのか?

これから、中国人を受け入れて行こうと思ってる飲食店の方には参考になると思いますし、なんでそんな食べ方するの?と疑問に思ってる人や不愉快に思ってる人には、参考になるかもしれませんので、逆に相手を知る為にも、是非読んでもらいたいです。

先ず、飲食店で一番最初に、店員さんが対応するのが、お冷をお客に持ってくること。日本では、誰もが知ってるごくごく普通の接客ですが、その段階で、中国人には引っ掛かることになり得ます。
何故?冷たい水なの?夏なら、百歩譲って水でも分かるけど、冬でも水なの?
そうなんです。中国では、冷たい水はあまり出てきません。基本的には、100度に沸騰したお湯か、常温の水です。ちなみに、飲食店で出るビールやジュースも常温が多かったりします。最近でこそ、ビールとかは冷たいビールやジュースも増えては来てますが、10年ほど前は、冷たいビールやジュースが出てくる店を探すのが難しいぐらいだった時代でもありました。

なので、日本の飲食店でも、冷たい水ではなく、常温の水か、お湯を求めてくる中国人客は少なくないはずです。
彼らは、冷たい水が嫌いというより、ざっくり言うと慣れていない。もっと言うと、先祖代々幼い頃から、冷たいものは身体を壊すという教えが根付いており、冷たいものは身体に良くないという概念をもっています。いわば、迷信みたいなものだと思ってはいますが、割と本気で信じてます。
なので、冷たい飲み物は夏であっても、拒否する人もいるんです。

で、前置きはさておき、本題に入ります。

中国人の食べ方で気になる点はどこですか?という質問をされた場合、私なら主に2つ挙げます。

1つ目は、食べ方。より細かい表現をすると、咀嚼の仕方。
2つ目は、骨など口から出すべき物の処理の仕方。

1つ目の咀嚼の仕方。これは特に、日本ではなく中国現地で中国人と関わったことある人であれば、気になった方もいるんではないでしょうか?
私は、中国生活が始まったばかりの頃から今現在でも毎回気になっています。
どんなにかっこいい男の子でも、どんなに女優さんみたいな美人な女の子でも、食べる時に、口を半開きにして、クチャクチャ音を鳴らして食べるんです。日本に長く住んでる中国人の人たちは、意識してるのか自然に治ったのか、元々そんな食べ方ではなかったのかは分からないですが、日本人同様口を閉じて食べてる人が多いと思ってますが、中国に行くと、口を閉じて食べてる人を探す方が難しいんです。

この理由を、私の妻にも言及したことがありました。すると、幼い頃、祖母からは口を閉じて、音をさせないで食べるのが礼儀だと教えられたようなんです。でも、いつの間にか、皆、普通に音を鳴らしてたらしいです。正直、人の食べるクチャクチャいう咀嚼音は不快にもなりますが、中国人からすると、それは不快ではないようで、誰も注意しないし、誰もがやってる行為になってしまってます。昔、妻の弟に咀嚼音を鳴らさず食べてほしいとお願いしたことがあったのですが、すごく意識してたのにも関わらず、全くできませんでした。何を言いたいかと言うと、この食べ方は、おそらく、日本に旅行で来たからといって、すぐ改善できるものではなく、長い間の習慣がそうさせてるもので、簡単にはコントロールができるもんじゃないと思ってる為、目をつぶるしかない食べ方なのかもしれません。

次に2つ目の口の中の物の処理。これは具体的にいうと、魚や肉の骨だったり、何かの種だったり、飲み込むことができない物をどう処理するかということですが、中国人の習慣としては、そのままテーブルに口からペッと出します。

汚いと思いましたか?

私も、中国初心者の頃、この習慣には驚きましたし、引いた記憶があります。
日本人だとテーブルに直には吐き出しませんよね。
これが、中国人からすると、お皿の中に、骨や種などのゴミを置くことの方が、マナー違反になるんです。
お皿は、料理が入ってる綺麗なもの。そこに、ゴミを入れるのは汚いという認識になります。
じゃあ、テーブルに出すことはなぜいいのか?
先ず、中国という国が、日本と違い、家の中も土足文化というのも関係しています。最近は玄関で靴を脱ぐ家も多くなってますが、床は汚れても掃除すればいいという、土足文化の意識もあります。
その土足文化と食事マナーの関係とは?

お皿に出すのが汚いと考えるので、必然的に口からテーブルに出します。
食事後、テーブルに出した物を、床に全部落として、床ごと掃除するという手法なんです。
もしくは、テーブルに薄い専用のビニールシートをかけておいて、食事後、ビニールシートごとまるめて捨てるということもあります。


普段がそのような習慣の為、日本に旅行に来ても、飲食店で同じようにテーブルに出すという習慣になってるんだと考えられるんです。

どうですか?習慣の違い少しは理解できたでしょうか?

もちろん、じゃあ、中国の習慣のままで仕方ないねというのも、飲食店側としても不快な思いをするかもしれないので、この特にテーブルの使い方については、食事の前に、注意を促すことをした方がいいかもしれません。でないと、困るのは飲食店側ですし、中国人客たちも、言えば、それが日本の習慣なんだと理解してくれるはずです。
お互いがお互いを理解すれば、不快な気持ちは徐々に軽減していくと思っていますし、中国人客も日本の文化を理解するということで、悪いことは何もありません。

ということで、長くなりましたが、今回はこの辺で。
次回も、飲食マナーの他の話をしていきます。