インバウンド観光ビジネス ~中国専門ブログ~

中国住在歴12年の経験と知識から、対中国インバウンド観光ビジネスにおける考えや、提案を発信していきます。

第4回 簡体字と繁体字って何?

前回までは、中国語と方言について書きましたが、今回は中国語の文字についてお話します。

中国人とのビジネスや商売をする時に、よく簡体字(かんたいじ)と繁体字(はんたいじ)という言葉を耳にしませんか?

中国のことを知らない人は、そもそも簡体字って何?繁体字って何?と思う人もいるでしょう。

今、世界で漢字を使ってる地域は、日本、中国、香港、台湾、マカオぐらいかと思います。
もちろん、漢字は中国で生まれた言語ですが、それが長い年月を経て、各地域で漢字に変化がおこりました。

例えば、『学校』の漢字。日本や中国は同じ漢字の『学校』ですが、台湾や香港に行くと『學校』と昔日本でも使ってた難しい漢字になります。
逆に、『正門』という漢字。台湾や香港では中国では『正门』と門の字を簡素化して書きます。

この、台湾や香港で使われてる、今の日本では通常使われてない難しい漢字を繁体字と言い、日本で使ってる漢字をより簡素化したように書くのが、簡体字
いうものになります。

こう、説明してる私も、繁体字については、正直読めない、漢字もたくさんあり、書けない知らない漢字もたくさんあります。

同じ繁体字であっても、香港で使われてる漢字と、台湾で使われてる漢字が全然違う表記を見たことあるので、逆に繁体字に詳しい人に、教えてほしいぐらいです。

たまに、中国でカラオケに行くと、台湾で流行してる歌を歌うこともあるのですが、カラオケの画面の字幕は全て繁体字表記の為、簡体字表記と共通する漢字であれば、読めるんですが、簡体字表記にはない繁体字の漢字が出てくると、発音が分からなくなってしまうのも、中国カラオケあるあるです。

じゃあ普段、簡体字を使ってる中国人は繁体字を読めるのか?これについては、一部の中国人から聞いた話では、一部分かるけど、一部読めない漢字もあるようです。逆に普段、繁体字を使ってる台湾人や香港人が、中国語の簡体字を全て読めるのか?これも一部の人に聞いた話では、読めない漢字もあるとのことです。なので、インバウンド対策をとっている公共の場の看板や、中華圏のお客を対象としてる雑誌類などは簡体字繁体字をそれぞれ使用してることが多いんです。

もし、会社やお店でインバウンド対策をするのであれば、先ずはターゲットが中国大陸の客なのか、香港や台湾の客なのかによって、繁体字簡体字の使い分けをしてみてください。中国大陸も、香港も台湾も全員が客だよという場合は、繁体字簡体字も両方表記していれば間違いはないでしょう。

また、よく聞くのが、中国人は漢字文化だから、日本語漢字の筆記のみでコミュニケーションがとれるだろうと思う方もいますが、これが、結構な割合で、中国人側からすると分からないケースもあるのが現状です。日本語の漢字も、中国人から見たら、漢字の意味からなんとなく推測できる部分はあるのですが、日本語漢字の組み合わせだけで100%全てが通じ合えるということはない為(単語も文法も違うので)、商売上どうしても中国語で伝えたい単語があれば、事前に調べておいておくといいと思います。
調べる中で、中国語って面白い漢字の組み合わせなんだと気づくことがあるかもしれません。日本語ではカタカナ表記の外来語も全て、漢字表記になるわけですから。

あと、余談ではありますが、全く日本語を勉強したことがない中国人に日本の新聞記事を読んでもらい、どのぐらい意味が分かったか聞いてみたら、6割ぐらいはなんとなく大まかな内容の推測はできるという人もいました。
そう考えると、やっぱり漢字の力はすごいですよね。

それでは、今日のところはこの辺で。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は、中国人よなぜ並ばない?という話題をしていきたいと思います。

第3回 中国語は何語?~方言編~

今回は、前回書いた中国語の話の続きとなります。

中国人観光客やビジネスにおいて、中国人と交流する際に、標準語=普通語で対応できると書きました。
が、その観光客たちが中国人同士で会話をしてるのを聞いたことありますか?

もちろん、中国語でワーワー言ってる為、聞き取れる訳はないですよね。
じゃあ、中国語がある程度分かる自分は聞き取れているのか?
答えは NO です。というより、1㎜も何を話してるのか、全く分かりません。

なぜ?

それは、彼らがほとんど地元の方言で話をしているからです。

いやいや、大袈裟でしょう?東京の人だって、最近では関西弁も九州弁も全部は分からないかもだけど、ある程度のニュアンスぐらいは分かるんだし、いくら中国語だからって、方言でそんな極端に分からないなんて。って思いませんか?

でも、それが中国語の現実なんです。

東京を例にした場合、23区全ての区で方言が全く異なるぐらいの感覚になります。しかも、多少の差ではなく、かなり大きな差で方言が異なるケースがある為、隣町の人と方言では話が通じないレベルにもなるんです。

何回も言いますが、中国は広いんです。前回も書いたように、北京語、上海語、広東語が有名な中国を代表とする方言になってはいますが、実は、各省の各市、各県、各村、各エリアで、それぞれがそれぞれの全く違う中国語の方言を話しています。しかも、数十キロ離れるだけでお互いがコミュニケーションすら取れないほどになってしまいます。方言なので、発音が全く異なるのも当然ですが、単語の漢字の表記すら方言によって変わってきます。
☆中国は省→市→県→村という順序となります。県=町と同じ意味です。

やっかいですよね。

私も、妻の故郷である浙江省に行くと、皆が方言で会話する為、何の話をしてるかも分からない、孤独状態に陥ります。

しかも、浙江省省都である、杭州市の杭州語と妻の故郷である杭州市桐盧県の桐盧語では全く言葉も違うんです。同じ省内出身の中国人親戚も、妻の故郷に来ると、半分以上会話が聞き取れなくなると言っていました。

だからこそ、普通語があるんだということになるんです。が、じゃあ普通語が中国人全員が話せるかというと、奥地に行けば話せない人もいたり、話はできるけど、漢字は書けない人もいたりと、まともに教育を受けれてない貧困層がいるのも実態なんです。

なので、中国のテレビをつけると、全てのチャンネルの番組に必ず、普通語の字幕が流れてます。日本のテレビでよく見る、強調するための面白テロップとかではなく、ごくごく普通の字幕です。これは、普通語が耳では聞き取れない人の為に、字幕もつけて、より多くの視聴者に理解してもらうための対策なんです。

さて、話を戻しますが、中国には多くの方言があることは分かったと思いますが、その代表となるのが、北京語、上海語、広東語です。
上海語は、上海市内のみしか通用しない言語です。広東語は、ジャッキチェーンや香港映画、中川家礼二のものまね(あれは雰囲気だけ似せてる風のメチャクチャな広東語ですが)の言語が広東語になりますが、実際は、香港や広東省周辺の比較的広い地域で使われている言語です。とは言っても、同じ広東語でも香港人が話す広東語と広東省の人が話す広東語は、結構違ったりもするので、正式には全く同じ広東語とも言い難いとこですけどね。

もし今後、中国人のビジネス客や中国人観光客と接する機会がある人は、日本語や英語だけではなく、先ずは、普通語で簡単に挨拶(こんにちは=ニーハオと)すると、相手はすごく喜んでくれると思います。
そこを応用し、もし相手が上海人であれば、上海語の挨拶を取り入れた方が、よりお客も嬉しくなると思います(こんにちは=ノンホウ)。
もし相手が香港人や、広東省の人であれば広東語で挨拶してあげると、よりお客も嬉しくなると思います(こんにちは=レイホウ)。
☆ちなみに、台湾は普通語も主流ですが、方言となると閩南語(ミンナン語)という福建省の方言と同等の言語になります。
(閩南語については私も知識がありません。)

要は、お客となる中国人の出身地が事前に分かっていれば、そこの方言で簡単な挨拶をすることで、相手がより喜ぶおもてなしに繋がるのではないでしょうか。

ということで、今回はこの辺で。

次回は、中国語の簡体字繁体字って何?という話をしていこうと思います。
長い文章に付き合っていただき、ありがとうございました。

第2回 中国語は何語?

2回目の発信です。

先ずは、中国人を商売対象としていこうという人の為に、基礎中の基礎の中国語って何?ということから発信していきます。

もちろん、そんなの言われなくても知ってるよという人も多数いると思いますが、逆に、中国にほとんど関わったことない人や、よく分かっていない人からは中国語とはなんぞや?という質問を受けることが結構あるんです。

話を遡りますが、私が04年2月にヒョンなことから中国留学に行くことが決まった時、両親から、中国に行ったら何語を勉強するの?と聞かれたんです。

私が、留学で行くことになった街は、上海から180kmほど離れた浙江省杭州市という街(プチ情報:パナソニックやキューピーが中国本社として活躍してる街です。世界のアリババの本社もこの街です。)でした。
当時、私も中国のことは全く知らず、上海や北京の地名だけは知っていましたが、地図を広げてもどこにはあるかすら分かっていないほど中国のことを知りませんでした。ましてや、杭州市と聞いても、それが地図上でどこなのか?名前も知らない、何があるのかも知らないということで、両親からの何語を勉強するのか?の質問に対し、自分もよく分かっていなったのです。

なぜ、何語を勉強するか分かっていなかったか?だって、テレビや映画ではジャッキチェーンが出て、中国語というより、広東語で会話していたり、上海=上海語という情報はあったので、杭州市に行けばどの言葉を勉強することになるんだろう?という感覚ではありました。

ここまでの話の中で、中国語について当時の自分の感覚と同じようなことを、思ってる人はいるんじゃないでしょうか?

結論は、中国到着後に分かりました。

私が学校で勉強することになったのは、中国語でした。厳密にいうと中国語の中の標準語です。

よく、中国語のことを北京語と呼ぶ人もいるのですが、これも厳密にいうと、中国語=北京語でもないんです。

北京語は、あくまでも北京市の一方言。その方言が、いろいろ時を経て、標準語になってるので、標準語と北京語は正式には違うという認識が中国人にはあります。

因みに、中国語では、標準語のことを北京語ではなく『普通語』と表記します。

ニーハオ(こんにちは)やシエシエ(ありがとう)などの皆さんが、なんとなく知ってる挨拶言葉は、『普通語』になります。

ただ、14億人の人口と、広大な面積を持ってる、中国。いくら、普通語があるからと言って、全員が普通語を話せるかというと決してそうではない現実があります。

日本だって、地方暮らしの人が、正式な標準語を喋れなかったり、極端に訛ったりしてる人いますよね?

でも、中国はそんなレベルではないんです。先ずは、普通語の発音が正式な発音で話せない人がいる。次に、方言しか話せない人もいる。最後に、話せないだけでなく、普通語を聞き取れない人もいる。

とにかく、やっかいなんです。ただ、いろいろ言ってはいますが、インバウンドビジネスで中国人を商売対象としようと思ってる人は、これまで説明してきた普通語をビジネスに使えば、先ずは間違いありません。

今回は、長くなったので、この辺までとします。

次回は、じゃあ、普通語以外の中国語とは?中国語の方言の深さとは?について話してみたいと思います。
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。

はじめまして 祝!初発信。

初めまして、本日よりブログを開設したリョウスケです。

このブログでは、今後のインバウンド観光ビジネスに興味、関心をもっているけどどうやっていいか分からないという方や、経営不振で困ってるし、なんとか顧客獲得に力を入れていきたいと思ってる、ホテル、旅館の経営者、たくさん外国人客はいるのに、なんでうちの店には外国人客寄りついてくれないの?というオーナーさんや店長さん、しょっちゅう目の前を外国人が歩いてるけど言葉も通じないしマナーも悪いし、相手にすると面倒だからいいやと諦めてくすぶってる各商売人さんへ向けた、いろんな角度からの提案や考えを、中国在住歴12年の経験と知識を活かし、中華圏に特化した専門分野で、少しずつ掲載していこうと思っているブログです。

先ずは、自己紹介から。

2004年2月に僅かな日本円と片道切符を手に、中国浙江省杭州へ飛び立ったのが、全ての始まりでした。
そこから、数多くの経験をし、2015年12月に約12年間の年月を経て、日本へ帰ってきました。

中国では、浙江省杭州市2年、上海市6年、広東省深セン市2年、広東省広州市2年という順番で住んでました。

その12年で見てきた、激動の中国の変化が凄まじく、中国人のすごいとこ、ダメなとこ、びっくりする発想、ガンガン上がる物価の変化など、テレビや報道、ネットだけでは分からない、本当の中国の実態と、中国人の思考を、どう観光ビジネスに上手くマッチさせるかということを少しずつ発信していきますので、興味のある人、知りたい人、もう知ってるけど一応答え合わせのためにという人も含め、是非、読んでみてください。

それでは第一回目はこの辺で。