インバウンド観光ビジネス ~中国専門ブログ~

中国住在歴12年の経験と知識から、対中国インバウンド観光ビジネスにおける考えや、提案を発信していきます。

第11回 もしや、箱の中身を確認してない?

前回の値切り問題の次も、同じ買い物の話となります。

いきなりですが皆さんに質問です。中国人が買い物中、特定の商品の前で不可解な行動をしてるのを目の当りにしたことはないでしょうか?

これも中国人のことを知ってる人であれば、結構あるあるの一つなんですがいかがでしょう?
 
答えは、陳列してる商品の箱を手に取り、中身を取り出して、商品を確認する行為です。

その他にも、携帯で写真を撮ったり(お土産として頼まれたものを間違いないか写真に撮り、相手に写真を送って確認してもらうため)、写真だけではなく、テレビ電話を繋げて、その場で商品を見せながら確認してたりという、光景も多々あるのですが、今回は、箱の中身を開けてしまう話をしていきます。

話が10年以上前に遡りますが、中国で嫁と知り合ってまだ間もない頃、一緒に買い物に行くと、嫁が、興味ある商品を手に取り、箱に書いてある商品説明を読み、それを買おうとする時に必ず、陳列されてるその商品の箱を開け、中身を取り出し、じっくり確認し、その商品を持ってレジに行ってました。
正直、自分は、え?店の中で何やってるの?店員見てたらやばいよ。と結構、ドン引きしており、ちょっとそれはやめた方がいいんじゃない?そもそも何故箱の中身を開けて商品見てるの?と、注意したつもりだったんですが、逆に、注意し返されてしまいした。

その注意の内容が、『もし、箱の中身が違うものだったり、欠陥品だったらどうするの?誰も責任とってくれないよ。自分で確認しないで騙されたらどうするの?』でした。もう、言ってる意味が分かりません。中身が違うなんて有り得るのか?そもそも欠陥品を売ってる?騙される?だって、ここは、それなりのちゃんとしたスーパーだよ。と混乱しました。

それを指摘された時は意味不明だらけで分からなかったのですが、後から、この意味が徐々に分かってきました。

それは何か。中国では、例え、その商品がしっかり棚に陳列されていても、箱にしっかり商品記載が書いてあっても、サンプル品が隣に出てたとしても、実際は箱と中身の商品が違うことがあったり、中身は同等の商品であっても欠陥品が入っていたりすることがあるんです。もし、中身を確認しないまま帰り、家で確認後、商品が違ったり欠陥だったりしても、お店が取り合ってくれない可能性も有り得るんです。(日本みたいに客のクレームに対し丁寧に対応してくれないので)。

このようなことが起こりえる為、中国人は昔から商品を買う時は先ずは自分の目でしっかり中身を見、欠陥でないかの確認をし、それからようやくお金を払いに行くという習慣になってしまったようです。

この感覚、日本人には分からない人が多いと思います。ただ、実際自分も、中国で商品を買う時は、結構な率で購入後、後悔するケースや、商品に対するクレームも取り合ってもらえなかったりということを経験してきたので、中国人のこの習慣も、中国生活を長く続ければ続けるほど、徐々になるほどなと共感できるようになりました。
 
中国もここ最近では、お店の管理も厳しくなったりしてることもあり、イチイチ、商品を確認する必要性もなくなってきてるとは思いますが、昔からの習慣の名残や、今現在も心からは信用できないという人もいるので、一回一回、箱の中身を確認しないと安心して買えないと思ってる人もいるでしょう。

結果、日本に旅行に来て買い物しても、その習慣と、常に疑いの目を持ってる為、ついつい箱の中身を確認する行為に繋がってるんです。

日本は、大丈夫だよ、中身を確認しなくてもちゃんと欲しい商品が新品で入ってますよとワザワザ、アピールする必要まではないと思いますが、箱の中身を開ける行為自体は、お店としても迷惑行為になると思うので、はっきりとそれだけはやめてください等のしっかりした注意や注意書きは必要だと思います。

もし今後、箱の中身を開けて確認してる観光客を見つけたら、ただただ頭ごなしに注意するんではなく、上記に書いたような理由や習慣が背景にあるうえで、開けてしまってるんだなということを理解してあげる、知っていることで、また少し違った注意の仕方や伝え方になるのかなと思っています。

中国人観光客が、日本に旅行に来たからといって、急に自分たちの国の習慣や考えから日本の習慣に合わせられることなんかは先ずありません。なので、一つ一つ、お互いがお互いの誤解を解きながら、理解を深めることが大事です。

ということで、今回はこの辺で。
次回は、飲食関連マナーなどの問題について書いていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

第10回 中国人よ、なぜ値切る?

早いもので、今回が10回目となりました。
書きたいこと、伝えたいこと、知ってもらいたいことは、いろいろありますが、今回は、インバウンドで中国人観光客を受け入れているお店がよく直面してる値切り問題について書きたいと思います。

最近でこそ、中国も世界的大手チェーン店の進出や携帯決済なども増えてる為、価格が固定になってるところも増えてはきていますが、そうは言ってもまだまだ、価格があってないような店もあります。

おそらく、日本人も中国や東南アジアに旅行に行くと、お土産を買うときなどは、店員さんと値段交渉をしてる人も多いのではないでしょうか?その値段交渉が上手くいったなら、日本帰国後に定価より安く買えたなど、土産話や自慢話としてネタにしてる人もいるのではないでしょうか?

日本でも、大阪に行くと、値切るという言葉はキーワードになっていますし、普段の日常会話に使われてそうですが、中国も同じように、店員がいくらと言っても、定価がいくらと表示があっても、もうちょい安くして、マケテとみんなが日常会話の普通のノリでバンバン値下げ交渉してる光景を見てきました。

私の推測ですが、このような大阪のノリと中国のノリはとても似てるところがあるせいか、中国人には大阪ファンが結構多い気がしています。私自身も、大阪には数度しか行ったことありませんが、なんとなく、大阪は中国とノリが似てるなとは感じています。

このノリで、日本のお店に行って定価でいくらと書いてあっても、ついつい店員さんを呼びつけて、いくらまでなら値下げできるの?とか、大量にこの商品を買うから、もっと安くならないの?とかという値引き交渉が始まるんですよね。

もちろん、日本のお店では原則、口交渉での値引きはしてないところがほとんどのはずなので(電化製品専門店などはあるかもですが)、そういうお店についてははっきり、値引き交渉できない、表示販売のみ等と張り紙を目立つところに貼っておくのが早いと思います。

日本では、原則値引きができないんだよという、日本の常識を、とにかく知ってもらうことが大切です。

余談ですが、十数年前に中国で働いてた会社でのこと。ある日、日本人の上司に、20元(約300円)分の文房具を購入してきてくれと頼まれ、近くの文房具屋に買いに行きました。今でこそ、中国も価格はついてますが、当時はかなりアバウトだったこともあり、お店の人の感覚と交渉で、少し値切ってもらうことができ16元(約240円)で購入し、会社に戻りました。そのことを上司に報告すると、この文房具であれば14元(約210円)まで値切れたはずだと、結構強めのトーンで怒られた記憶が蘇ります。

要は、中国人の文化からすると、とにかく、できるかぎり、ギリギリのところまで下げる、下げてやるという執念、むしろ値段交渉そのもののコミュニケーションが楽しいと思ってる人もいます。

とにかく、値段交渉をされそうになったら、はっきりNOと伝えましょう。

とは言っても、お店については中国自体もだいぶ、値段交渉がしずらくなってきてるので、値切ってと言ってくる人も、昔よりは徐々に少なくなってきてるのかもしれませんが。

日本人がアジア圏などの値切る文化の街に行ったら、逆に値切る面白さにはまってしまう人もいるかもしれませんけどね。

お店においての値切り問題は以上のような話なのですが、これがB to Bのシビアな価格交渉であっても、結構グイグイ下げさせようと、交渉してくるので、中国企業とビジネスしてる人たちは、ここがやっかいな問題にもなってると思われます。

どちらにしても、値切ると言う考えや文化は昔から中国人の根底にあるので、お金が関わる話の時は、よりシビアに交渉していきましょう。中国人は口も交渉も上手ですからね。

ということで、今回はこの辺で。
次回は、同じショッピング問題でも、日本人の感覚では分かりにくい商品信用問題を取り上げたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

第9回 中国人よ、なんでそんなに大声なの?

今回は、マナーの中でも、みなさんが身近な疑問として感じてる、中国人の大声問題を取り上げてみたいと思います。

先ず、このブログを読まれてる人の中で、中国語が話せる、もしくは中国語を少しでも勉強したことある人はどのぐらいいるでしょうか?

勉強したことがある、普通に話すことができる人は、もちろん言うまでもない話なのですが、全く中国語と関わったことない人からすると、なんでそんな大声なの?と素朴な疑問にも思えるはずです。

中国語は、日本語と違い、言葉の発音自体も日本語より複雑ではあるのですが、それ以上に、音階が関係します。
4つの音階から言葉が成り立つので、同じ発音でも音の聞き取り方で意味が全く違って聞こえる、不思議で面白く深い言語なのです。
日本語や、英語みたいに発音さえあっていれば、多少のイントネーションに違いがあっても聞き取れるという訳にはいかず、4つの音の組み合わせでの音階を聞き取らないとコミュニケーションに支障を与えることさえあります。
(余談ですが、広東語は基本6つの音階から成り立ってるようです。)

ですので、話をするとき、はっきり相手に音階を伝えないといけない為、必然的に声を大きく出しているというのが、一般的に考えられます。

日本人の中で、中国語が話せる人も、中国語を話す時には、声が大きくなり態度も大きくなる人が多いのではないでしょうか?ちなみに、私も私の息子も、中国語を話す時は、無意識のうちに自然に声が大きくなっています。
逆に、私の妻(中国人)は、中国語の時は、声が大きくなりますが、日本語を話すと急に、声が小さくなり、上品な振る舞いも無意識のうちにしてるので、話す言葉によって、その国の習慣も連動してしまうのも面白い限りです。

話を戻しますが、中国人は、みんなでワイワイ話したり、騒いだりするのが好きな国民です。なので、みんなで一緒にいると、興奮し、楽しくなって、より声が大きくなってるケースがあります。それが1人ではなく、5人いたら5人ともそうなる傾向があるので、5倍の声の大きさになっています。私の印象ではありますが、どちらかというと、若い世代より、年配世代の方が声が大きいイメージがあります。

とは言えども、声が大きい中国人も、秘密の話をするときなどは、声のボリュームを落としてヒソヒソ話もしますし、台湾人の話を聞いてても、結構ボリューム押さえて話をしてる傾向もあるので、やろうと思えば、やれるとは思います。

飲食店や、店舗内、その他公共機関とかで、もし中国人の団体らがワーワー言ってて、うるさいな、静かにしてほしいなと思ったら、少し静かにしてください(請安静)と伝えるか、もしくはジェスチャー、張り紙でもいいので、いずれにしても静かにするように伝えて構いません。もちろん、喧嘩をふっかけるような言い方や態度をとると、相手を怒らせることもあるので、そこは良識ある伝え方であれば、きっと相手も分かってくれるはずです。

日本に来て、みんなで楽しくワイワイしながら興奮してしまうと、自国と同じように振る舞ってるようなこともあると思うので、そこは、日本のルールだよとみんなで優しく伝えていきましょう。

日本人も中国の文化を学び、中国人も日本の文化を学んでもらう。それができれば、お互いのトラブルも徐々に少なくなるでしょう。

ということで、今回はこの辺で。
次回は、中国人のショッピング時の、問題点と対策についての話題をしていきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

第8回 中国人とウォシュレット

前回は、中国人のトイレ常識は日本人とは違ったんだよという話でしたが、今回は、中国人とウォシュレット(商品名を使わなければ温水洗浄便座と呼ぶらしいですが)について話をしてみたいと思います。

ウォシュレットは、日本のどこに行ってもほとんど普及してる状況で、もうウォシュレット無しではトイレに行けないという人も多いのではないでしょうか?

これが、日本では普通ではあっても、海外に行くと逆にウォシュレットがないことが珍しいぐらいなので、やばい、困る、ストレスという人も結構いると思います。

ちなみに、ここ最近、中国の大都市中心に高級外資系ホテル、日系デベロッパーが作ったオフィスビルやマンションのトイレには、ウォシュレットが備え付けれられたりもしてますが、一般家庭や、普通の街中の施設、公共トイレまでにはほとんど普及していません。

そうは言っても、一時期の爆買いブームで、ウォシュレットが飛ぶように売れてた時期もありましたが、最近はだいぶ落ち着いてるようです。

確かに、中国人にとってもウォシュレットは快適のようで、日本で初めて経験し病み付きになった人も多いのではないでしょうか。
ただ、それを中国に持ち帰った時、おそらくいろんな問題が起こることが想定できます。

日中間の電圧の問題、コンセント位置の問題、トイレの作りの問題など、各々住んでる家事情なども含め、購入しても設置できない問題もあるとは思いますが、その中でも一番大きいと思われるのは、日本の家とは違い、トイレとシャワールームが同じ場所にある問題が大きいと思われます。

日本でも、トイレとシャワーが分かれてないユニットバスは普通にあるよと思うでしょうが、日本のユニットバスとは意味が違います。それは何か。
中国のシャワールームには浴槽がないケースがほとんどです。それに加え、シャワーとトイレの間にカーテンのような仕切りがない家もたくさんあります。

それによって、何が起こるか?
シャワーを浴びると、トイレとの距離も近いせいでシャワーのお湯がバンバントイレにも飛び散り、結果シャワーが終わったら、同時にトイレも水浸しになっている現象が起こります。
少なくとも、自分が過去に住んでた家、嫁の家族や親せきの家はほとんどそんな感じでした。

もちろん中には、トイレとシャワールームがしっかり分かれて、トイレにシャワーが一切かからない内装の家もありますが、全体から考えると、まだトイレがビシャビシャになる家の方が多いんではないかと思っています。

そんな家に、ウォシュレットを設置するとどうなるか?
感電の恐れなど危険が伴うため、容易に設置ができないんです。

そういう事情から、ウォシュレットを買う人が減ってきたと推測できるのと、中国でも模倣品が安くで販売しだしたことも理由になるのかもしれません。

そういう現実の中、ウォシュレットを知らない中国人にどうウォシュレットを使ってもらうか。

特に、地方都市の人や年配者の観光客は、一度もウォシュレットに出会ったことない人も多いので、日本のトイレに入り、見たことないボタンがたくさんあることで、逆に混乱したり、ビビったりする人もいるでしょう。しかも、何か分からずにとりあえずボタンを押してみたことで、急に後方から水が出てきたら、驚くに違いありません。

蛇足ではありますが、私が10年ちょっと前に、農村部の友人の家に泊まりに行った時の話です。その家のトイレは、外にあり、カーテン一枚でトイレと外が仕切られていました。カーテンを開けると、大きな壺が一個置いてありました。それがここの家のトイレでした。また、部屋の寝室の隅にも赤い小さめの蓋付のバケツが置いてあり、夜トイレに行きたくなったらここにするようにと指示がありました。
他にも、知人から聞いた話では、家の外の地面に穴が掘ってあるだけで、そこがトイレだったいうエピソードもあり、中国の田舎のトイレ事情に驚いたことが幾度もありました。そう、考えると、ウォシュレットはすごく贅沢品で、富裕層から見ると欲しくなるのは分かりますよね。

ここまで、綴ってきたように、ウォシュレットがいくら、中国人に人気があるからと言っても、まだまだ、使ったことある中国人はごく一部であり、多くの中国人がウォシュレットを使ったことない現実もあります。
観光施設や、ホテルや旅館、公共施設、お店のトイレなどでは、ウォシュレットの使い方の表記をしっかり書いておかないと、トイレの使い方でトラブルが起こったり、使用者側も、使用させた側もどちらもが凹むような結果にならない為にも、しっかりと中国語で使い方や、各ボタンの翻訳説明も入れてあげるのがベストではないかと考えています。
また、これは日本人の中でも迷った人がいるかもしれませんが、『流す』ボタンがどこにあるかが分からないトイレも最近多いと感じており、『流す』ボタンが分かりにくいトイレに関しては、はっきり場所や言葉の表記をしてあげるのが親切です。ある中国人は、『流す』ボタンが分からなくて、緊急時の『SOS』ボタンを押しそうになったという人もいましたので。

トイレを、清潔にストレスなく気持ちよく使ってもらうためにも、しっかり相手の国の情報を知り、しっかり対策しておけば、何の問題も起こらないですよということを伝えたく、今回はこの辺で。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は、中国人の声ってなんでそんな大きいの?という話をしていきます。

第7回 中国人のトイレの使い方ってどうなの?

今回は、中国人のトイレの使い方と対策などについて書いていきます。

よく、飲食店を始め、外国人と商売で関わるいろんな人から、外国人のトイレの使い方が汚いという話を聞くことがあります。
もちろん、日本人だって、トイレの使い方が完璧かと言えば、そうではない現状もあるとは思いますが、そうは言っても、トイレに関しては日本の方が世界よりも結構先を行ってる文化であるのも間違いなく、たかがトイレに、戸惑ってしまう外国人が多いこともすごく理解できます。

先ずは、中国のトイレ事情から。

私が、中国に行った04年時点のトイレは、まだまだ、所謂、ニーハオトイレ(個室に扉がないトイレ)も多く、扉はあっても、大人の足の長さほどしかない扉で、上から覗き込まれればニーハオできるトイレがある時代でした。
特に公共のトイレは有料のところもあったり、紙も有料だったので、入り口にいる受付のおばさんやおじさんに、お金を払うシステムだった頃も懐かしく感じます。激臭のするトイレの受付で普通に食事をしてたおじさんやおばさんの姿も懐かしいです。

それから時が経ち、中国のトイレもかなりマシになってきました。どちらかというと、全体を見る限り日本でいう和式タイプの方が多いですが、都市部では洋式タイプも結構当たり前になってきてるようにも見えます。

とは言っても、やっぱり日本ほど衛生的でくつろげる感覚は無く、慣れてる人が中国では綺麗なトイレだと思っても、中国初心者の人からすると、ゲッって思う人もいるかもしれません。

そういう中国のトイレ事情なのですが、日本に来てる中国人観光客のトイレの使い方でよく問題になるのが、トイレットペーバーの持ち出しとトイレットペーバーを流さないことが取り上げられます。

先ず、トイレットペーバーですが、基本、中国では全て紙は持参です。スーパーなどでポケットティッシュが大量に売ってるので、みんな日常的にそれを買い、常に持ち歩いてます。もしくは、トイレの入り口に1個だけトイレットペーバーが備え付けてあり、それを必要な分だけ取って個室に入るパターンもあります。もちろん、高級ホテルやそれなりの場所や施設によってはトイレットペーパーが備え付けられてるところもありますが、基本的にはないという感覚でいた方がいいと思います。

特に、中国の田舎に行くと、トイレにトイレットペーパーが置いてるのを見たことない人もいるはずなので、日本のトイレに、大量のストックのトイレットペーパーが置いてあると、あ、無料で使えるなら、これ勝手に1つぐらい貰ってもいいのかな、有難いなと何の悪気も無く持ち出す人がいても、確かにおかしくはありません。

次に、紙を流さない問題。日本では使用した紙を流すのは当たり前で育ってますので、それが日本人の常識ですが、中国ではまだ場所によってはトイレの下水道インフラが整ってないケースや、高価格な水に溶ける紙などをあまり使用していないこともあり、使用後の、紙は、便器の隣に設置してあるゴミ箱に捨てるのが常識となってる場所が多いんです。正直、ゴミ箱に捨てるのは、自分も嫌だったので日本と同じように流してました。が、ある時、嫁の両親や親せきらと会話してる中で、トイレの紙を流したと言う話を偶然したら、流したら紙が詰まって大事になる可能性があるから、流したらダメだと注意されたことがあったのを覚えています。

要は、日本と中国で、生まれてこれまで当たり前と思っていた根本的な常識が違うんです。
なので、日本人はよく郷に入れば郷に従えと言いますが、そもそもの常識と価値観が違う為、郷に入りたくても、日本の郷への入り方が分からない人が多いのが今の現状になってると分析しています。

確かに、最近では、トイレットペーパーの持ち出し禁止や、紙は流してくださいとかは中国語での注意書きがされてるトイレも増えてると実感してます。
でも、もう一つ、そこに加えて、『なぜトイレットペーバーは無料で使っていいのに持ち出しはダメなのか?』、『なぜ、使用後の紙は、ゴミ箱ではなくトイレに流していいのか?』などの理由や説明書き。プチ情報などがトイレに書いてあるだけでも、中国人としてはなるほど、そういうことなんだね、日本と中国はそういう理由で違うんだねと、相互理解とマナーやルール向上により深く繋がってくると思うんです。

特に、都市部の若い層よりも、地方都市の年配者層の人には、よりしっかりとしたトイレルールやその他マナーは教えた方がいいでしょう。

その理由として、私の肌感覚ではありますが、現在の中国人の50代、60代の人らと接し、話しをする中で、特に感じるのは、私たちの祖母(80~90歳代)もしくはそのもっと上の世代の人らと同じような価値観や考えの人がまだ多いということなんです。つまり、日本で例えると、私どもの祖父母が子供だった戦前の時代からたった20~30年で一気に21世紀のスマホ文化にタイムスリップしてる感覚が今の、中国の発展状況なので、戦後、徐々に徐々に段階を踏んで成長してきた日本人の感覚とは異なるんです。

そのような中国の背景もあり、特に年配層の人らは物は一気に豊かになったけど、考えや、ルール、マナー、常識などについては20~30年前のからなかなか追いつけてない状況の人が多いとも感じています。

だからこそ、私たち受け入れる側も、根気強く、しっかりルールを伝え、お互いが気持ちよく利用してもらえるトイレにしてもらえる努力とおもてなしの発想が必要だと思っています。

それでは今回はこの辺で。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は、同じトイレの話題で、中国人のウォシュレット問題について書いていきます。

第6回 中国人のゴミのポイ捨どうなってるの?

前回より、中国人のマナー問題について話しています。
今回は、ゴミのポイ捨てについてです。

あと1、2か月したら、桜の季節がやってきます。
一旦、春節休みで落ち着いてるのも束の間、もう少しすると桜を見に、中国からの観光客がまた急激に増えてくるでしょう。

毎年その時期になると、報道番組やワイドショーの特集などで取り上げられる中国人観光客のお花見。ほとんどが、ゴミを捨てない、桜の枝を折るなど、他にもやってはいけないことのオンパレードをマスコミが報道し、それを見た視聴者が中国人はなんて酷いんだと、悪印象を生むという構図が想像できます。

さて、中国人は中国でゴミをどうしてるのか?
確かに、ポイ捨てしてる人はまだまだたくさん見かけます。
ただ、その分、道路のあらゆるところに、ゴミ箱も設置してるので、基本そこに捨てるという習慣は徐々にできてはきてます。

私が、中国にいた頃、だいたい半年に一度のペースぐらいで1週間ほど日本へ帰国していました。
中国在住初期の頃は感じなかったのですが、ある程度年月が経過し、日本に時々戻ってくる中、急に日本のあちこちからゴミ箱が姿を消してることに気付きました。日本で生活してる周囲の人らは、最近日本はゴミ箱減ったよと普通の顔して言うのですが、こっちとしては、結構戸惑いました。
例えば、コンビニや路面店などで、買った食べ物をお店を出た後に食べたら捨てるところが無い。風邪ひいて、外で鼻をかんでも捨てるところが無い。ガムを噛んで捨てたくても捨てるところがないなど、日常の些細なことで、メチャメチャ困ることがあり、いつから日本はこんなに不便になったんだと感じてました。

この感覚は、日本に慣れてない外国人観光客も必ず感じることだと思っています。これは、お店にとっても不利な条件でもあるはずです。
考えてみてください。夏に、アイスを食べようと思っても、外に捨てるところがなければ買うのを躊躇するかもしれませんし、クレープだって、焼き芋だって、フランクフルトだって、たこ焼きだって、おにぎりだって全てゴミが出るので、特に、外でブラブラ歩きながら食べる習慣がある外国人にとっては本当に困る問題だと思います。

日本人の常識では、だったらゴミ袋持参すればいいじゃんとなりますが、逆の立場で考えてみてください。自分らが海外旅行に行って、現地で適当に屋台などで買った物を食べ終え、ゴミを捨てたいと思った時、持参のゴミ袋をちゃっかり用意できてる人がどれだけいることでしょう。

海外でということになると、なかなかいないんじゃないでしょうか。

なので、食べ終えた後に、確実にゴミが出る商品を販売されてる方には、少なくともお店周辺にゴミ箱の設置や、食べ終えた後のゴミはどうすべきかの指示をしっかり明記すべきだと思っています。これは、中国人に限らず、おそらく大半の外国人が日本に来て困る問題の為、特にオリンピックを控えてるのであれば尚更です。

話を戻しますが、中国では、あちこちにゴミ箱が設置されています。が、結構ゴミ箱からゴミが溢れ出してたり、ゴミ箱があるのにも関わらず、路上にはポイ捨されており、いろんな種類のゴミが落ちています。(昔よりはだいぶ、路上が綺麗になってきた感はありますが。)
じゃあ、中国でポイ捨てしてる人はマナーがなってないのか?それはもちろんマナーがなってないのですが、ポイ捨てする人にはポイ捨てする人なりの理由がはっきりあるのです。
それは何か?

中国には、清掃員と言って(中国以外の国にもいるようです)、路上のゴミを拾ったり、歩道を箒で掃いたり、ブラシで洗ったりする専門職の清掃員がいるんです。ポイ捨てする人たちの言い分としては、彼ら清掃員に仕事を与えている、ポイ捨てをしなければ、彼らの仕事を奪うことになってしまう。

こういう理由なのです。

屁理屈にも聞こえるのですが、結構真面目にこの主張をしてくる人が多いんです。

開き直ってるのかもしれませんが、こんなことを言われると、なんて返していいかも分かりません。

なので、この理屈が通る中国ではそれでもいいのですが、日本に来てもらったからには、ゴミをどうやったらポイ捨てをされないかを考え、ゴミに困らないようにこっちから誘導してあげる、というのも飲食店やサービス業界が率先してやるべきことだと考えていますし、これも一つのおもてなしになるのではないでしょうか。

もう一つ、日本でこれをやられると本当に困ることがあります。中国は空気が悪いせいか、男女問わず(主に年配者)痰を切る人が多く、カーッペッと中国ではあらゆるところで、痰を吐いてる人らをみます。これは、本当に喉がイガイガしてというのもあるとは思いますが、長年の癖や習慣になってる人も多く、日本に来ても無意識の中でカーッペッとしてる人がいると思われるので、ここは行政や、国、中国政府側にも、なんとかマナーを守ってもらえるように観光客への指導をしてほしいところではあります。

ゴミのポイ捨てを防ぐ為にも、外国人と逆の立場にたって考えると、いろんなおもてなしの案が出てくると思います。
是非、たくさん物を買ってもらい、ゴミ問題にストレスを感じず、楽しく日本観光の思い出を作ってもらいたいものです。

ということで、今回はこの辺で。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は、中国人のトイレ問題を書いてみたいと思います。

第5回 中国人よなぜ並ばない?

さて、今回より中国人のマナーや考え、ルールなど、直接、皆さんが疑問に思ってる内容を発信していきます。

今後皆さんが、観光客やビジネスの間で中国人と直接関わることもより増えてくると思います。
その時に、もし印象が悪かったら、ただの嫌悪感や悪口、もう関わりたくないと思う人もいるのではないでしょうか?

もちろん、そう思うのは自由です。しかし、これから先の経済や、ビジネス、世界の動きを考えた時に、中国を切り離して考えることはできないんだろうなと多くの人が漠然とは思っているでしょう。

どっちみち、そうであれば、先ずは相手の国、相手の考えを知る。そこがクリアになれば、より相手を身近に感じ、観光客対応の受け入れもビジネスもより信頼関係が生まれてくると思っています。

先ず、その最初として、中国人の並ばない問題について話していきます。

中国人が列に並ばない、割り込みをする。おそらく、このようなニュースや報道は、あちこちで聞いたことあると思います。
実際、私が04年に中国で生活を始めた頃、近所にあった肉まん屋に行きました。
そこの、支払方法と商品受取方法の説明をすると、①いくつかの肉まんのメニューから好きな商品を選ぶ、②その商品を口頭で受付のおばさんに伝える、③直接お金を受付のおばさんに渡す、④お金を渡したと同時に商品をもらうというシステムでした。

そのシステムは、知人から教えてもらい、早速店に行きました。受付の前には人がごった返しています。しかも、前も後ろもその他いろんな角度から各々が大声で商品名を叫ぶ声が飛び散らかっています。客は、コインを握りしめた右腕を極限まで伸ばし、受付のおばさんに気付いてもらえるように必死にアピールしています。

反対に、受付のおばさんは、客が極限まで腕を伸ばし持っているコインを、自分が受取りやすい順に受け取り、その人に肉まんを渡しています。
要は、受付のおばさんがコインを受け取りやすいか受け取りにくいかで、肉まんを渡す順番が決まります。

そのような状況に当初慣れず、取りあえず、常識ある行動として、日本と同じように並んみることにしました。しかし、前にはどんどん人が割り込んでくるし、後ろからはジャマだドケと割込みされるし、一向に自分の番が回ってきません。そんな中、ちょうど中国人の知人が近くを通りかかり、自分がいることに気付いてくれたのですが、その時に『黙って並んで待ってるだけなら、中国では一生物は買えないよ』と言われたのを、今でも鮮明に覚えています。

その他にも、銀行に口座を作りに行った時のことです。今でこそ、中国も日本と同様、番号札がありますが、当時は、番号札なんかありませんでした。
でも、さすがに銀行です。お店とは違い、一列に並べるようにサイドにポールが設置されており、並ぶようになっていました。
が、いざ、自分の順番になり窓口で金銭のやり取りをしてると、急に隣で気配を感じ振り向いたら、見知らぬおじさんが立っており、お前の対応遅いから早くしろと言い、まだ手続き途中の自分を押しのけようとして、自分の通帳やお金を受付の女性に強引に渡そうとしてきたのです。さすがに、そこは受付の女性もその人に注意し、問題なく手続きは終わりました。

要は何が言いたいかというと、このような状況が、今から、たった15年ぐらい前の中国の主要都市での話です。
お話した内容は、特に印象に残ってる話であって、並ばない問題でキレたことはほぼ毎日のようにどこかで起こり、酷い時は路線バスの乗車口で人がごった返してる中、強引に割り込んできた人に、思いっきり肘打ちされたり、逆にやり返したりしたこともありました。

2010年に上海万博が開催された時も、みんな夏の暑い中並んでるのに、幼い子供にどんどん前に故意的に割り込みさせ、後方からお母さんが子供を追っかけるように見せかけ一緒になって前に割り込んでくる人が結構な数いて、腹立たしかったことを今でも鮮明に覚えています。

そんな並ばないメチャクチャな頃の中国を経験してきたこともあり、今日本に観光できてる中国人が並ばないと問題視されてることには、何も驚かないし、むしろ、あの頃に比べたら全然並んでるし、かなりマナーは守れてるんじゃないかとも思ってしまうんです。

実際現在では、上海や北京、広州といった中国を代表する主要都市で生活してる人たちの多くは、並ぶ習慣もついてきていますし、並ぶマナーが身についてきています。ですが、毎回言うように、中国は広いんです。主要都市には、あちこちの町や農村部から出稼ぎに来てる人もたくさんいます。
その人たちは、元々、田舎暮らしで並ぶ習慣もきちんとしたマナーもなく育ち、学校などもまともに出てない人もいる為、いくら都市部で生活してても、生活にも金銭的にも余裕が無く、自分のことで精一杯、自分の得だけを優先して考えるという人も多いんです。
なので、残念ながら、そのような貧困層の人たちにマナーとかを押し付けても、まだまだ現実的に受け入れてもらえないのが現実問題としてあります。

その他に、並ぶことができない人が多いのは、年配層です。特に50代以降の人で、若い頃は貧しい生活をしていて、ここ10年ほどで急にお金持ちになった人々に目立つ気がします。彼らが若い時代は、中国も激動の時代であった為、貧しい生活、学歴もない人(小卒、中卒)も多かったと思うんです。それがここ10年ぐらいで、急にお金持ちになったことで、お金はあるけど、常識やルール、マナー、は知らない。
このような人たちが、現在、観光で日本に来てるケースがとても多い印象を受けています。

なので、そういう背景があるので、皆さん是非、並ばなくても温かく見守ってあげましょうとは絶対言いません。
もちろん、日本でのマナーはしっかり守ってもらわなくては困りますし、公共交通機関でも、お店でもしっかり並んでもらわないと困ります。

ですが、割込まれた時、列に並んでない人がいた時、不愉快な思いがあっても、言いたいけど言えない、怖いなとか思う人もいると思います。

でも、そういう時ははっきり、『排队一下 (パイドゥイ イーシャー)』とはっきり言って構いません。
ちなみにこれは、『並べ!』という中国語です。
言葉が通じなければ、ジェスチャーでも構いません。それでも難しいようなら、近くの責任者や担当者にお願いして並ばせてもらうしかありません。

基本的に、中国人の多くは、はっきりルールを教えれば、理解して言うことを聞いてくれます。
しかも、観光客であれば日本に不慣れで、少し緊張感もあるはずなので、自国のルールとは違うんだなという認識はしてくれるはずです。
要は、情報を教えてあげれるかどうかが鍵となります。情報を与えれば、それだけ理解してくれるということです。

なので、中国人観光客に困ってる人や、商売がてらどうしようと悩んでる人は、とにかく、ストレートにYES,NOと情報を伝えてあげましょう。

それが一番の解決策です。

と、言うことで、とても長くなりましたが、今回はこの辺で。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は、中国人のポイ捨てゴミ問題について書こうと思います。